本記事では、米国株投資を実践する中で生じた疑問点や実際に起きた事例について、私自身が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
本記事では、「米国株の1月のアノマリーとは何か?」「2021年1月の株価パフォーマンスはどうだったのか?」、さらに具体的に「テーマ株やIPO株、SPAC銘柄の1月のパフォーマンスの結果はどうだったのか?」について記事に纏めています。
本記事を読むことで、米国株投資を行うにあたり知っておくべき1月のアノマリーについて理解する事ができ、さらに、2021年1月のテーマ株やIPO銘柄、SPAC銘柄の株価パフォーマンス結果を知る事ができます。本記事の内容を投資情報のデータベースとして、今後の投資判断の参考材料の1つとする事ができます。
米国株の1月アノマリーとは?
株式投資においては、「アノマリー」という言葉が頻繁に使われます。
過去の何十年にもわたる株式市場の値動き、経験則に基づく規則性みたいなもので、繰り返し起こりやすい現象のことを指します。
米国株の1月アノマリーとして「1月は株価が高い傾向にある」理由は、一言でいうと、投資家マインド・心理的状況によるものです。
具体的には、投資家は一般的に年末は含み損が発生している保有株の損失確定売り、いわゆるタックスロスセリングを行ったり、クリスマス休暇や正月を前に投資を手控える傾向があります。その為、その時期は株式市場は低調になりやすくなると言われています。一方で、新年が明けた1月は、心機一転、投資家マインドがリセットされる事で、株式の買い戻しが起こりやすく、株高になりやすい傾向にあります。(リターン・リバーサルと言われています)
野村証券でも「1月アノマリー」を「1月効果」という単語で解説されています。
株式相場で1月の収益率が他の月よりも高くなりやすい現象のことをいう。特に小型株でその傾向がみられる。相場における季節性のアノマリー(経験則)の一種。年末に税金対策としての売りがでる一方で、年明けには新規の投資資金が流入しやすいことなどが要因と言われている。
さて、米国株の2021年1月の相場は「米国株の1月アノマリー」通りの展開だったのでしょうか?
具体的に2021年1月の株価の動きを見ていきましょう。
米国株の1月アノマリーを検証:「S&500」と「ナスダック」の株価
米国株の1月アノマリーの検証をしていくにあたり、まずは米国を代表する企業で構成される「S&500」と「ナスダック」の株価を見ていきましょう。
年明けから買われ、前半に大きく株価を上げているのが分かります。
S&P500とナスダックの1か月間の株価チャートを見る限り、米国株の1月アノマリー通り、「1月の相場は高い」という結果になっています。
セクター別、企業別の株価はどうなっているのでしょうか?
数年のテーマ株であるEV(電気自動車)銘柄、2020年にIPOしたばかりの銘柄、SPAC上場銘柄などに分けて、個別企業の値動きを見ていきます。
米国株の1月アノマリーを検証:EV銘柄
米国株の1月アノマリーを、今後数年は続く人気テーマ株の1つでもあるEV(電気自動車)セクターで見ていきましょう。
個別銘柄としては、EV(電気自動車)メーカーの筆頭銘柄の2社を選んでいます。
- TSLA(テスラ)
- NIO(ニオ)
順番に見ていきましょう。
米国株の1月アノマリー EV銘柄編: TSLA(テスラ)
イーロンマスク氏が率いるTSLA(テスラ)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「+17%」という結果になっています。
年初の勢いの強さは日経新聞が取り上げるほどででした。
https://twitter.com/twin_papariman/status/1352957683704291328?s=20
株価チャートを見る限りでは、米国株1月アノマリー通り、「1月相場は高かった」と言えます。
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米国株の1月アノマリーEV銘柄編:NIO(ニオ)
中国の新興EV(電気自動車)メーカーの中でも別格の存在感を放つNIO(ニオ)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「+11」%という結果になっています。
株価チャートを見ると、1月上旬から強く買われている事が分かります。
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年初に購入し、NIO DAY直後の高値$62で売れていれば「+20%」です。
その後、月末にかけて下がっていますが、月末の着地は+11%なので、1月アノマリー通りの強さを見せています。
人気テーマ株のEV(電気自動車)銘柄の代表格2社の動きを見ると、米国株1月アノマリー通り、相場は高かったと言えそうです。
続いて、見ていきましょう。
米国株の1月アノマリーを検証:2020年IPO銘柄
次に、米国株の1月アノマリーを「2020年にIPOしたばかりの銘柄」を事例に見ていきましょう。
独断と偏見で2020年にIPOした下記2つの銘柄を選んでいます。
- RPRX(ロイヤリティファーマ)
- U(ユニティソフトウェア)
順番にみていきましょう。
米国株の1月アノマリー2020年IPO銘柄:RPRX(ロイヤリティファーマ)
RPRX(ロイヤリティファーマ)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「▲3%」という結果になっています。
先ほど見てきた、「S&P500」、「ナスダック」、「EV銘柄」とは違う結果が出ていますね。
よく見ると、1月上旬から月末にかけて株価は上昇しており、25日に売れれば、+10%の利益を得る事ができていますが、25日以降に急落し、結果的に▲3%となっています。
1月アノマリーとしては、終盤まではほぼアノマリー通りの値動きでししたが、最終局面で腰折れした展開になっています。
ロイヤリティファーマ(RPRX)は、ビジネスの特性なども関係あるのかもしれません。
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米国株の1月アノマリー2020年IPO銘柄:U(ユニティソフトフェア)
U(ユニティソフトウェア)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「+3%」という結果になっています。
株価チャートを見ると、1月上旬~下旬にかけてほぼ株価は変動していない事が分かります。
U(ユニティソフトウェア)は、既にIPO価格の2倍の水準にあり、急激に上昇してきたからなのか、年明けの株価の勢いはありません。
S&P500よりは高い+3%の上昇率ですが、グロース株としては、少し物足りない数字です。
2021年2月は米国の長期金利上昇で、株価の影響も大きかったのがU(ユニティソフトウェア)です。
>>>米国の長期金利上昇が与える影響は?~個別銘柄の株価の動きを徹底検証してみた~
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米国株の1月アノマリーを検証:SPAC銘柄
最後に、米国株の1月アノマリーについて「SPAC銘柄」の事例を見ていきましょう。
SPAC銘柄も、独断と偏見で2銘柄を選んでいます。
- DKNG(ドラフトキングス)
- EXPC(エクスペリエンス・インベストメント)
順番に見ていきましょう。
米国株の1月アノマリー SPAC銘柄:DKNG(ドラフトキングス)
DKNG(ドラフトキングス)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「+20%」という結果になっています。
1月上旬~下旬にかけてキレイな右肩上がりです。
$DKNG Breaking out pre-market.
Chart courtesy of @TrendSpider https://t.co/hxBtUYp4TV
— StockChartArt (@CasualtyWar) January 12, 2021
https://twitter.com/HedgeMind/status/1351257061460377601?s=20
1月中旬の段階で、ARK INVEST社のメールマガジンでオンラインスポーツベッティング市場の将来性について言及していた事から、ARKによる購入が期待されていた事も株価上昇要因になりました。
実際、ARK INVEST社は2月1日からDKNG(ドラフトキングス)を新規購入しています。
>>>ドラフトキングス(DKNG)の株価に影響を与えた重大ニュース【2021年注目の米国株SPAC銘柄】
本記事では、米国で2020年にSPAC上場をしているドラフトキングス(DKNG)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。 【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式[…]
米国株の1月アノマリー SPAC銘柄:EXPC(エクスペリエンスインベストメント)
EXPC(エクスペリエンスインベストメント)の2021年1月の1か月間の株価パフォーマンスは、「+38%」という結果になっています。
本記事内で紹介している銘柄の中でも最も高いパフォーマンスを出しています。株価チャートを見ると、年明け数日後からギアを上げて上昇をしている事が分かります。
EXPC(エクスペリエンスインベストメント)も、ARK INVEST社が1月12日に新規購入を開始して以降、継続購入している銘柄の1つです。
昨日のARK社トレード内容
【新規購入】 $BMY $EXPC $LMT $TDY
【購入再開】 $VRTX $ESLT
【購入継続】 $NVS $TAK $EXAS $REGN $TCEHY【新規売却】 $PACB $MCRB $FLIR $SPLK
【継続売却】 $NSTG $XONE $ONVO $NTLA $CGEN $VCYT※新規購入銘柄多く、中でもLMTの買いが大きい pic.twitter.com/h05fueC9Th
— ARK trade information (@ActiveArk) January 11, 2021
EXPC(エクスペリエンスインベストメント)は、あくまでもBLADE(ブレード)を買収した特別買収目的会社です。
BLADE(ブレード)は、米国とインドで急成長しているUAM(Urban Air Mobility)プラットフォームを通じて、ヘリコプター通勤サービスを提供している会社で、2021年の後半にナスダックに上場予定です。
個人的にはBLADE(ブレード)の上場後に期待です。
>>>【米国株】BLADE(ブレード)の魅力~2021年上場のSPAC優良銘柄~
本記事では、米国で2021年に上場予定のBLADE(ブレード)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。 【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人 […]
いずれにしても、EXPC(エクスペリエンスインベストメント)は米国株の1月アノマリーの検証対象銘柄の中で、テスラやNIOなどの人気銘柄をおさえて、最も高いパフォーマンスを出していました。
米国株の1月アノマリーを徹底検証:2021年1月の株価上昇率はどうだった?:まとめ
米国株の1月アノマリーについて、検証してきました。
簡単に振り返っていきましょう。
米国株1月アノマリーについて検証してきた銘柄と1月の株価上昇率を一覧でみてみましょう。
銘柄 | 2021年1月の 株価上昇率 |
S&P500 | +2% |
ナスダック | +5% |
TSLA(テスラ) | +17% |
NIO(ニオ) | +11% |
RPRX(ロイヤリティファーマ) | ▲3% |
U(ユニティー) | +3% |
DKNG(ドラフトキングス) | +20% |
EXPC(エクスペリエンス・インベストメント) | +38% |
S&P500、ナスダック、人気テーマ株、2020年IPO銘柄、SPAC銘柄という分類で検証してきましたが、いずれにおいても1月の株価は高かった事が判明しています。
2021年1月においては、米国株1月アノマリー通りの展開だったのではないでしょうか。
TSLA、DKNG、EXPCに投資をしているARK INVEST社については下記の記事で詳しく纏めています。
>>>ARKのETFを徹底解説~100%超えのリターン!?圧倒的な実績で人気沸騰中の米国株ETF~
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以上、米国株の1月アノマリーを徹底検証:2021年1月の株価上昇率はどうだった?でした!!