本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。
2003年に創業し、2010年6月にナスダックに上場した米国EV(電気自動車)メーカーのテスラ(Tesla)。
従来の自動車業界の業界構造をひっくり返し、電気自動車(EV)を軸に革新的なビジネスを展開しているテスラ(Tesla)は2020年12月21日に史上最大規模の時価総額をひっさげてS&P500に組み入れられました。
本記事では、「S&P500とは何か?」、「S&P500の採用基準」、そして実際にS&P500に採用されたテスラ(TSLA)の株価推移について纏めています。
本記事を読む事で、テスラ(Tesla)の「S&P500採用発表から採用後までの株価がどのように推移したのか」を具体的に知る事ができます。テスラ(Tesla)の事例を知る事で、今後、投資対象企業がS&P500に採用される際の投資タイミングの参考にする事が可能です。
S&P500とは?【米国株】
そもそもS&P500とは何でしょうか?
S&P500とは、米国格付け会社のスタンダード&プアーズが米国を代表する500銘柄の株価を基に算出する指数です。
詳細はwikipediaの定義を確認していきましょう。
S&P 500(エス アンド ピー ファイブハンドレッド、Standard & Poor’s 500 Stock Index)は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数。ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数である。本指数はアメリカ合衆国企業の株価指数であることを意図しており、上記の証券取引所の上場銘柄であっても、アメリカ企業でないと判断された銘柄は本指数の対象外となる[1]。<出典:wikipedia>
端的に表現すると、S&P500はアメリカを代表する選ばれし精鋭500銘柄で構成され、米国株式使用のパフォーマンスを表す主要なベンチマークの1つです。
そして、特定の企業が名誉あるS&P500に採用される際の基準、条件は大きく4つあります。
- 米国企業であること(本社が米国にある)
- 時価総額が53億ドル以上あること
- 流動性が高く浮動株が発行済み株式総数の50%以上あること
- 4四半期連側で黒字を維持すること
2020年9月のタイミングでは、下記3社が新たにS&P500に採用された事は記憶に新しいです。
- Etsy(ETSY)
- Catalent(CTLT)
- Teradine(TER)
テスラはS&P500に一度不採用になっている
実は、テスラ(Tesla)はS&500に一度、不採用となっています。
テスラ(Tesla)は2020年9月のタイミングで「S&P500に採用されるかもしれない」という話が出ていました。
テスラ(Tesla)は上述した4つのS&P500採用基準を満たしていたので、2020年9月時点でS&P500への組み入れ角度は高かったのですが、結果的には見送られ、上述した3社が採用されています。
NYダウ632ドル安 ハイテク株急落、テスラは21%安https://t.co/3PhWOxUzl5
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) September 8, 2020
What a chart pic.twitter.com/ACsxhfTEqU
— DonAlt (@CryptoDonAlt) September 8, 2020
テスラ(Tesla)のS&P500の見送りニュースと株価暴落については、日経新聞でも大きく取り上げられたので注目を集めました。
暴落時の株価チャートを見ると、フリーフォールのように垂直に落ちています。
テスラはS&P500に採用決定!史上最大の時価総額企業の組み入れ
S&P500採用条件を満たしていたにも関わらず、一度は採用が見送られたテスラ(Tesla)ですが、2020年11月16日にS&P Dow Jones Indicesが「テスラ(Tesla)をS&P500へ採用する」と発表。
テスラ(Tesla)は2020年12月21日に正式にS&P500への組み入れが決定しました。
S&P 500銘柄は四半期毎に入れ替えが行われているので、結果的には3ヶ月だけS&P500への採用が遅れただけです。
テスラ(Tesla)の時価総額は5,000億ドルを超えており、2010年に採用された当時のバークシャー・ハサウェイの約1270億ドルを大きく上回る史上最大規模のS&P500への組み入れとなり、歴史的な出来事となっています。
テスラ(Tesla)のS&P500採用に関連するニュースを受け、実際、テスラ(TSLA)の株価はどのように推移したのでしょうか?
テスラの株価推移:S&P500採用決定前後の値動き
テスラ(Tesla)のS&P500採用決定前後の株価の動きについて、3つのタイミングに分けて具体的に確認していきますが、結論からいうと下記の通りとなります。
テスラ(Tesla)株価 | |
①S&P採用決定ニュース発表時 | 上昇 |
②S&P採用決定ニュース発表~組み入れ前日 | 大きく上昇 |
③S&P500組み入れ後 | 少し下落 |
当時の様子を順番に見ていきましょう。
テスラの株価推移①:S&P500採用決定ニュース発表時
テスラ(Tesla)のS&P500採用決定ニュースは2020年11月16日に報道されました。
BREAKING: Tesla to join S&P 500, stock surges 9%https://t.co/BBfZGapUJ1 pic.twitter.com/1YB532volx
— CNBC Now (@CNBCnow) November 16, 2020
https://twitter.com/nicosokufx/status/1328481649277890560?s=20
報道を受け、テスラ(Tesla)の株価は時間外に約9%上昇しています。時間外には一時14%近く上昇。
ただ、正直、こうしたニュースは「どのタイミングで発表されるか」、事前に知ることもできなければ先読みする事もできません。
既存ホルダーは、当日の株価上昇の恩恵を受けれますが、新規で瞬発的に飛び乗るのはなかなか難しいと思います。
続いて、S&P500採用決定ニュース発表後の株価の推移を見ていきましょう。
テスラの株価推移②:S&P500採用決定ニュース発表~組み入れ前日
テスラ(Tesla)のS&P500採用決定ニュース発表からS&P500への組み入れ前日までの株価推移をチャートで確認していきましょう。
<データソース: TradingView>
上記のチャートで2020年11月16日~12月20日の株価の動きを見てみると、キレイに右肩上がりに推移している事が分かります。
具体的には、34日間で約66%の上昇を記録しており、まさに鰻上りの上昇でした。
続いて、S&P500へ組み入れ完了後のテスラ(Tesla)の株価推移を見ていきましょう。
テスラの株価推移③:S&P500組み入れ後
テスラ(Tesla)がS&P500へ組み入れられた後の株価ですが、組み入れ初日の株価は急落し、▲6.4%の下落を記録しています。
【6.4%安】米テスラがS&P500種に組み入れ、初日の株価は急落 – WSJ
https://t.co/Cd32bjDVJT pic.twitter.com/yPvyWWDAlE— 世界四季報 (@4ki4) December 21, 2020
S&P500への組み入れニュースで買った投資家が、組み入れ事実で利益確定売りに動いた事で、株価は軟調でした。
ただ、予想に反して下落幅は狭く、かすり傷程度でした。
というのも、テスラ(Tesla)の株価は、2020年8月31日の株式分割発表後の約1週間で約▲38%下落していたからです。
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よって、投資家の間では「S&P500組み入れ時には20~30%を超えるような暴落が来るのでは?」といった予測をたてている人が多かったのですが、多くの投資家の期待を大きく裏切る形となりました。
その後も、テスラはS&P500組み入れ後に大きな調整をすることなく推移し、暴落によりに買い増しを検討していた投資家に買い場を提供せず推移しています。
テスラS&P500採用!!~ニュースが株価に与えた影響を徹底検証~:まとめ
テスラのS&P500採用ニュース発表から組入れまで株価がどのように動いてきたのかを具体的に見てきました。
簡単に振り返っていきましょう。
テスラ(Tesla)は米国格付け会社のスタンダード&プアーズが米国を代表する500銘柄の株価を基に算出する指数であるS&P500に2020年12月21日に組み入れられました。
2020年9月には、S&P500採用条件を満たしていたにも関わらず、多くの投資家の期待に反し、不採用ニュースが発表され、株価は約▲21%の暴落を記録。
しかし、2020年11月16日にS&P500採用決定のニュースが発表されてからはテスラ(Tesla)の株価は右肩上がりで大きく上昇しました。
テスラ(Tesla)株価 | |
S&P500不採用ニュース | 暴落 約▲21% |
①S&P採用決定ニュース発表時 | 上昇 約8% |
②S&P採用決定ニュース発表~組み入れ前日 | 大きく上昇 約66% |
③S&P500組み入れ後 | 少し下落 約▲6% |
投資観点でテスラ(Tesla)の事例をみてみると、S&P500への採用ニュースは明らかな「買い」サインだという事が分かります。
今後も長い投資人生の中で、何度も投資対象企業がS&P500へ組み入れられる可能性があるかと思います。その際はテスラの事例を教訓に迷わずに適切なタイミングでトレードしていきたいですね。
>>>テスラは電気自動車メーカーではないという衝撃と異次元の構想【3分で分かるテスラの凄さ】
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以上、テスラ㊗S&P500採用!!~株価はどう動いた?ニュース発表から組入れまで株価の動きを徹底検証してみた~でした!!