「人生100年時代」というフレーズを、最近よく耳にするようになりました。
医療やテクノロジーが進歩し、寿命が伸びる長寿化が前提になっている事は、個人の人生設計に大きな影響と変化を与えます。ひと昔前のようなライフプランは人生100年時代に適応できず、また、「まだだいぶ先の事だからいいや」と何も考えずに過ごしていると、取り返しのつかない事になる可能性がある事は否定できません。
本記事では、人生100年時代という新たなステージで「一体、何が変わるのか?」、その中で「自分は何をしていかなければならないのか?」について纏めています。
本記事を読む事で、人生100年時代を生きていく上で真剣に考えなければならないポイントを知る事ができ、具体的なアクションを起こす事ができます。
人生100年時代を生きる上で真剣に考えるべき事~どちらの選択をしますか?~
人生100年時代で考えるべき重要な事は何でしょうか?
結論から言うと、個人的に人生100年時代において最も重要になると考えているのが、資産形成です。
退職金や年金を当てにしている人や、若い世代の場合は「まだ先の事だからイメージが湧かない」と、全く何も考えていない人が多いと思います。
ただ、重要なのは「今までは何とかなった」けど、「これからは自分で何とかしてください」というメッセージが出されている事を自分事として捉える事です。
多くの企業で副業は解禁となり、高年齢者雇用安定法が改正され、企業もこれまでの雇用のあり方を見直しをするように国から指示されています。企業に雇われている個人は、こうした流れや背景を抑えながら、「何をしていくべきか」を考えていく必要があるのですが、その中で最も重要な行動の1つが「資産形成」です。
- 資産形成を軽視し、会社や国、他人に期待したり、現状や今の仕組みに対して不満を嘆き続ける人生を歩むか
- 資産形成に真剣に取り組み、安心した老後生活を送るか
どちらを選択するかは個人の自由ですが、そもそも「なぜ資産形成が重要なのか?」、その理由をこれから具体的にみていきましょう。
高年齢者雇用安定法が改正された本当の理由
令和3年4月1日から「高年齢者雇用安定法」が新たに改正されました。
高齢者雇用安定法とは、厚労省のHPでは下記のように定義されています。
少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されています。
<出典:厚生労働省>
ざっくり言うと、定年を65歳~70歳に定めている企業に対して、以下のいずれかの措置を取るように動いて下さいという事です。
- 定年を70歳まで引上る
- 定年制を廃止する
- 70歳までの継続雇用制度導入
- 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度導入
国から企業に対して、みんなが「70歳」まで働けるように環境整備を始めるように指示しているという事です。
そもそも、高年齢者雇用安定法はなぜ改正されたのでしょうか?
表向きは、「まだまだ働きたい意欲がある高齢者の方が気持ちよく働ける環境を準備ようしますよ」というメッセージなのですが、ようやく長いサラリーマン人生を終えた人、もしくはサラリーマン人生の出口が見えているのに、まだまだ働きたい人なんているのでしょうか?
正直、私はそんな人は見た事がありません。
一見、「高齢者の雇用に関する法律が改訂された事なんて関係ない」と思いますが、資産形成をしていない人は70歳まで働かないと生活が厳しいよというメッセージに他なりません。
実際、金融庁が「人生100年時代の資産形成」という資料を公表しており、長寿化が進む中で、定年後に最低限の生活をしていく為には、年金とは別に2,000万円程度の資産がないと厳しい事が指摘されています。
「まだ先の事だし、何とかなるよ」と思っている人ほど、一度、しっかりと時間をとって真剣に資料を見る事をオススメします。
本記事では、「人生100年時代の資産形成」で金融庁が発している重要メッセージに絞って内容をみていきます。
人生100年時代の資産形成で抑えておくべきポイント
金融庁が公表している「人生100年時代の資産形成」資料の中から確実に抑えておくべき内容を見ていきましょう。
ポイントは以下の4つです。
- 日本の平均所得・所得代替率は主要国より低い
- 所得代替率の低さが理由で、日本の高齢者の就業者率は高い
- 就業が必要なのは、運用資産による金融資産額が小さいから
- 老後に必要な資産は1,500万円~3,000万円
1つずつ見ていきましょう。
人生100年時代の資産形成のポイント①:日本の平均所得・所得代替率は主要国より低い
<出典:金融庁 人生100年時代における資産形成>
人生100年時代の資産形成のポイント1つ目は、「日本の平均所得・所得代替率は主要国より低い」です。
日本の高齢者世帯の平均取得は約318万円、所得代替率は57.7%となっています。
ざっくり言うと、サラリーマン時代に300万円の手取り収入があって、所得代替率が57.7%だった場合、約170万円が退職後の所得額という事になります。年金以外の収入がない場合、サラリーマン時代の約半分の収入である約170万円で1年間の生活をやりくりする必要があるという事になります。
一方、米国の場合、高齢者世帯の平均所得額が約618万円、所得代替率は71.3%なので、いかに日本の高齢者が苦しい生活を強いられているかが分かります。
「現役世代にかかっていた生活費の約半分で生活をする」という難しさは、高齢者の就業率の高さと就業理由を見ても明らかです。
人生100年時代の資産形成のポイント②:所得代替率の低さが理由で、日本の高齢者の就業者率は高い
<出典:金融庁 人生100年時代における資産形成>
人生100年時代の資産形成のポイント2つ目は、「所得代替率の低さが理由で、日本の高齢者の就業者率は高い」です。
65歳~69歳の就業率は男性が50%を超え、アメリカ、イギリスなどの主要国の中でも圧倒的に高い数字となっています。
高齢者が就業しているのはなぜなのでしょうか?
高齢男性が就業している理由のTOP3は以下の通りです。
- 生活の糧を得るため
- いきがい、社会参加のため
- 健康によいから
生活の糧を得るため、つまり、生活をしていく為の収入を稼ぐためにやむなく就業している人が多いという現状が見て取れます。
高齢になるまでに、資産形成を行っている人が多ければ、日本の高齢者の就業率はここまで高くならないと思います。その証拠に、現役世代から積極的に資産形成を行っているアメリカの高齢者の就業率は35%と低くなっています。
資産形成を積極的に行っているアメリカとそうでない日本とでは、どれだけ金融資産に差があるのでしょうか?
人生100年時代の資産形成のポイント③:日本で就業が必要なのは、運用資産による金融資産額が小さいから
<出典:金融庁 人生100年時代における資産形成>
人生100年時代の資産形成のポイント3つ目は、「日本で就業が必要なのは、運用資産による金融資産額が小さいから」です。
上記グラフは、米国と日本における年代別の金融資産額の推移を示したものです。
米国では、1998年に35歳未満だった人が45~54歳になった時に、資産が8倍になっているのに対し、日本では同じ年数をかけてもわずか2倍にとどまっている事が分かります。
日本では効果的な資産形成が行われていない事は明らかで、大きな違いは、資産形成への取り組み姿勢です。
米国では401Kなどの退職口座、投資信託、株式投資を中心として、現役世代から積極的に資産形成を実施している為、45~54歳の金融資産のポートフォリオの内訳も高くなっている事が分かります。
時間軸を味方につけた資産運用の重要性を物語っています。
一方で、日本の場合、ポートフォリオの割合が年を重ねてもほとんど変化していない事が分かります。
ポートフォリオが変わらない理由は、「銀行にお金を預けるという選択肢しか知らない」、もしくは、「リスクを恐れて試す事すらしない人」が多いからです。
正しく資産運用をすれば、金融資産は大きく増える事は上記グラフが証明しているにもかかわらずです。
ここで1つ前に出てきた就業率を振りかえると、日本の高齢者男性の就業率は56%に対して、米国は35.5%でした。就業率の違いは「退職時までにどれだけ金融資産を増やす事ができているか」に起因していると考えられますね。
米国のように、年金とは別に金融資産が3,000万円あれば、日本の高齢者も生活の糧を得る為に就業する人は少なくなると思います。
人生100年時代の資産形成のポイント④:老後に必要な資産は1,500万円~3,000万円
<出典:金融庁 人生100年時代における資産形成>
人生100年時代の資産形成のポイント4つ目は、「老後に必要な資産は1,500万円~3,000万円」です。
各個人の、現在の金融資産の状況や退職後の支出や収入状況が異なる為、一律に必要な資産形成額を示す事は難しいのですが、一例として、「65歳で退職し、世帯で月25万円の暮らしを続け、95歳まで生きる事を想定したシナリオ」の場合、1,500万円~3,000万円の資産が必要と示されています。
具体的に、1,500~3,000万円をどうやって貯めていくのでしょうか?
自分で考えて対策をしないと、「生活の糧を得る事を目的に70歳になるまで働く」という不本意な状況が待ち受けているのが現在の人生100年時代の残酷な真実です。
こうした状況に陥らない為には、今から何をすべきなのでしょうか?
人生100年時代を生きていく上で何をすべきか?
人生100年時代を生きていく上で、今から何をしておくべきなのでしょうか?
それは、資産形成する為に行動することです。
具体的には米国株投資です。日本株ではなく、米国株投資です。
資金は成長している企業や国に投下しないと増えないからです。
人生100年時代の資産形成のポイントでもあったように、「米国と日本では運用資産による金融資産額」に圧倒的な差がありましたが、その理由は「投資をしているか、していないか」だけでなく、「どこに投資をしているか」も大きな要因になっています。
日本は「失われた20年」などと謳われ、バブル崩壊後、全く経済成長をしていません。その最たる原因は「人口」で、少子高齢化は今後も避けられません。生まれてくる子供が減ってくれば、労働人口も減る為、経済が急回復する事は想定が難しい状況です。
詳しくは下記の記事に参考にしてください。
>>>【2040年の未来を予想して先行投資】「2040年の未来予測」から投資に必要な情報をピックアップ
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一方で、アメリカは日本とは対照的に人口も経済も成長し続けています。
しかも、Google・Amazon・Facebook・Apple・Netflix・Disneyなど、日本の生活に密接に関わっているサービスの多くはアメリカ企業です。
そして、アメリカではEV革命を起こしているTesla、仮想通貨支払いの導入などキャッシュレス決済の革命を起こしているPayapal、Square、セキュリティ革命を起こしているCrowdstrikeなどのように既存の常識やインフラを根底から覆していく破壊的インベーションを起こす企業が続々と生まれ続けています。
米国株投資と聞くと、これまで資産形成や投資をした事がない人にとってはハードルが高いように聞こえるかもしれません。
ただ、今ではスマホ1台あれば投資ができる時代です。自身のスタイルに合わせた資産形成方法はいくらでもあります。
例えば、下記の通りです。
- 投資をする為の「まとまった資金がない」という人には、1000円から米国株式の購入ができるPaypay証券
- 本格的に株式投資をしたいなら時間外取引にも対応しているマネックス証券
- 2021年に爆上がりしている仮想通貨の波に乗りたいならコインチェック
など、私は用途に合わせて全て利用しています。
特におススメはコインチェックです。
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人生100年時代を生きる上で真剣に考えるべき事~どちらの選択をしますか?~:まとめ
人生100年時代を生きる上で真剣に考えるべき事について、見てきました。
簡単に振り返っていきましょう。
高齢者雇用安定法が改正され、70歳まで働く事を国が推奨をし始めました。表向きの理由は、就労希望の高齢者に対する就業環境の整備ですが、実際のところは「資産のない人は70歳まで働いて生活収入を稼がないと老後の生活がもたないよ」という警告に等しいメッセージです。
その裏付けとなるのが、金融庁が公表している「人生100年時代の資産形成」で、主なポイントは4つです。
- 日本の平均所得・所得代替率は主要国より低い
- 所得代替率の低さが理由で、日本の高齢者の就業者率は高い
- 就業が必要なのは、運用資産による金融資産額が小さいから
- 老後に必要な資産は1,500万円~3,000万円
老後に生活の糧を得るために働かなくても良い状況を作り出す為には、時間を味方につけた資産形成しかありません。
資産形成で最も重要なのは成長している国への投資です。
具体的には、経済成長が続き、革新的な企業を次々と生み出している米国や米国企業への投資が第一選択となります。
自分が60歳近い年齢になる頃に、金融庁が公表してるデータと同じような状況に陥らない為にも、アメリカ人と同じように現役世代の頃から資産形成を取り入れていきたいですね。
>>>米国株と日本株、買うならどっち?は愚問~米国株が圧倒的にオススメな理由を解説します~
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以上、人生100年時代を生きる上で真剣に考えるべき事~どちらの選択をしますか?~でした!!