本記事では、ギリアド・サイエンシズ(GILD)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
ギリアド・サイエンシズ(GILD)は新型コロナウイルスの治療薬「レムデシビル」で注目されている米製薬企業です。
新型コロナウイルスによるパンデミック以降、バイオンテックやモデルナなどのワクチン開発や「ワープスピード計画」などのワクチン支援策が大きく注目されていますが、治療薬の本丸はギリアド(GILD)の「レムデシビル」です。
ワクチン株が政府からの大型受注などのニュースを受けお祭り騒ぎになっている状況と比較すると、数少ない治療薬を提供できるギリアド(GILD))はあまりパッとしていません。
そんな中、7月30日に2020年第2四半期の決算を発表がありました。
本記事では、ギリアドの第2四半期決算の結果や決算結果を踏まえた私なりの考えを記録しています。
ギリアド(GILD)の決算は?株は買いか?
ギリアド(GILD)の決算(2020年第2四半期決算)は7月30日に発表されましたが、良くない結果でした。
これを受け、株価は一時70$を割り込みましたが、決算内容が良くない事は予め想定されていた為、ネガティブサプライズではありません。
決算前から保有している分は含み損が出ていますが、しばらく株価の動きを見て、むしろタイミングを見て追加購入をしたいと考えています。
結論から言うと、ギリアド(GILD)は個人的に中長期的で保有したい銘柄です。
正直、個人投資家の投資スタンスや投資サイクルによって、判断が大きく分かれる銘柄だと思いますが、これから、ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由について解説していきます。
ギリアド(GILD)の決算結果: 2020年第2四半期
まずは、ギリアド(GILD)の2020年第2四半期決算の結果を見てみましょう。
ギリアド(GILD)の決算結果をざっくり知りたい人は、じっちゃまツイートで確認しましょう。
ギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)の第2四半期決算はEPSが予想$1.45 に対し$1.11、売上高が予想53億ドルに対し51.4億ドルでした。
— じっちゃま (@hirosetakao) July 30, 2020
ギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)の第2四半期決算はEPSが予想$1.45 に対し$1.11、売上高が予想53億ドルに対し51.4億ドルでした
数字はコケていますが、そもそも今回の決算では売上が未達に着地する事は経営陣は織り込み済で、決してネガティブサプライズではありません。
売上が鈍化した原因は、主に「HCV製品」と「Ranexa(慢性狭心症治療薬) と Letairis(肺動脈高血圧症(PAH)治療)」です。
<出典:Gilead Sciences Earning report>
これはギリアドのEarnings Resultのスライドの一部ですが、HVC製品は、上半期ベースで前年比▲28%と、なっています。
理由はCOVID-19の影響です。
全世界的(特にアメリカとヨーロッパ)にコロナ感染者数の増加が止まらず、他の疾病を抱えた患者がコロナ感染リスクを恐れて、通院が減る事で、院内で投与が必要な薬の消費が減退している事が原因です。
また、「Ranexa and Letairis」については、2019年に市場に入ってきた後発薬’(ジェネリック薬品)の影響で、前年同期比▲70%と大きく減少しています。
一方で、主力のHIVはCOVID19の逆風下にありながらも2020年上半期は前年比+6%と力強い成長を見せています。
ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由4つ
ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由は主に4つです。
- レムデシベル無償供給は2020年6月30日で終了
- ギリアドのガイダンスは上方修正
- スプレー式「レムデシベル」によるマーケット拡大可能性
- 高配当(年間配当3.7%)
1つずつ見ていきましょう。
ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由①: レムデシベル無償供給は2020年6月30日で終了
ギリアドは、COVID019の治療薬「レムデシビル」の緊急使用許可(EUA(Emergency Use Authorization))を2020年5月にFDA(米国食品医薬品局)から受け、レムデシビルは150万人本を無償供給(Donation)してきました。
その無償供給分の配布が2020年6月30日で終了。
つまり、第3四半期(7月)以降は「レムデシビル」は有償供給となる為、第3四半期以降のProduct sales(売上高)に反映される事になります。
無償供給期間中にレムデシビルの価格設を検証し、最終的に先進国向けに対しては1本あたり390$(約4万円)、米国医療保険会社向けには520$(約5.3万円)に設定したと発表されました。
1回の治療には、5日間で6バイアル使用される為、1回あたり2,340$となります。
<出典:Gilead Sciences Earning report>
また、現時点では需要量が供給量を大きく上回る状態が続いていますが、9月末~10月上旬にかけて量産体制を確立する予定とのことで、以降は供給レベルが大きく上がる事が予測されます。
ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由②: ギリアドのガイダンスは上方修正
ギリアドは、レムデシビルの無償供給終了と量産体制の確立見込みにより、ガイダンスの売上とEPS予測を上方修正しています。
<出典:Gilead Sciences Earning report>
ギリアドの2020年のEPSは予想$6.69に対し新ガイダンス$6.25~7.65が、売上高予想225.4億ドルに対し新ガイダンス230~250億ドルが提示されました。
ギリアドの2020年のEPSは予想$6.69に対し新ガイダンス$6.25~7.65が、売上高予想225.4億ドルに対し新ガイダンス230~250億ドルが提示されました。
— じっちゃま (@hirosetakao) July 30, 2020
投資銀行アナリストによると、「年初にはレムデシビルによる年内売上は想定していなかったが、今は下半期だけで、レムデシビルの売上は10億$~30億$が想定される」とコメントしています。
好決算を軸に新型コロナワクチン銘柄への投資を検討している場合は、製造請負会社であるエマージェントバイオソリューションズ(EBS)がオススメです。
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ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由③: スプレー式「レムデシベル」によるマーケット拡大可能性
ギリアドがFDAより緊急使用許可(EUA)を受けた「レムデシビル」は点滴式のため、使用対象は主に入院患者向けに限定されていました。
しかし、実際は「コロナ陽性」と診断されたけれども、軽症であれば自宅やホテルで待機をさせられている患者が多くいます。
つまり、軽症の患者は「レムデシビル」の投与ができない状況にあります。
そこで、ギリアドは入院患者以外にも「レムデシビル」を投与できる方法を検討。
その手段の1つとして、スプレー式「レムデシビル」を開発。既に7月上旬から健常者を対象に臨床試験を開始しています。
スプレー式「レムデシビル」の承認が下りれば、「”コロナ陽性”と判断されたが、入院を必要とするほどの症状がない患者」に対しても自宅で投与が可能になるので、患者の不安を大きく取り除けます。
そして、ビジネスと株価へのインパクトも大きくなると考えられます。
ギリアド(GILD)をBuy&HOLDしたいと思う理由④:高配当(年間配当3.76%)
ギリアド(GILD)の株価の動きは、ハイテクグロース株やワクチン株などのようにボラティリティは高くないので、大きく動かない傾向にあります。
なので、2020年8月現在、短期間で勝負をしようとしている投資家は、1日で+10%の上昇などの見られるハイテクグロース株やワクチン銘柄にベットしている印象が強いです。
ただ、ギリアドは3月、6月、9月、12月の年4回配当を出しています。
年間配当利回りは約3.7%と高配当です。
<出典:Investing.com>
1日1日の値動きは大きくはありませんが、「レムデシビル」の好材料が出れば、大きく暴騰する事が予想され、キャピタルゲインを狙えるのと同時に、高配当により着実にインカムゲインを得られるところが魅力です。
好決算で、年間配当がある優良企業の1つとしては、2020年6月にIPOでナスダックに上場したロイヤリティファーマも注目です。
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ギリアド(GILD)は買いか?【米製薬大手 2020年Q2決算発表】まとめ:
個人的にはギリアド(GILD)は中長期的にBuy&HOLDしたい銘柄です。
主な理由は4つ。
- レムデシベル無償供給は2020年6月30日で終了
- ギリアドのガイダンスは上方修正
- スプレー式「レムデシベル」によるマーケット拡大可能性
- 高配当(年間配当3.7%)
短期的な値動きにはハイテクグロース株やワクチン株と比べて面白味がありませんが、次回以降の決算に期待ができる材料が多く、配当も出るので、accumulationしておきたい銘柄です。
本記事では、ギリアド・サイエンシズ(GILD)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。 【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人 ギリアド・[…]
以上、ギリアド(GILD)は買いか?【米製薬大手 2020年Q2決算発表】でした!!