本記事では、ギリアド・サイエンシズ(GILD)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
ギリアド・サイエンシズ(GILD)は新型コロナウイルスの治療薬「レムデシビル」をポートフォリオに持つことで注目されている米製薬企業です。
新型コロナウイルス治療薬の本丸「レムデシビル」は、2020年10月にFDA承認を取得しています。
さらに、トランプ大統領が新型コロナウイルスに罹った際に、リジェネロンの抗体カクテルとギリアドのレムデシビルが投与された事は話題になりました。
ただ、世界で初めて新型コロナウイルスの治療薬として承認されたプレミアムな製品を持つ一方で、残念ながら株価は期待に沿うような動きは見られていません。
そんな中、2020年10月28日にギリアド(GILD)の2020年第3四半期決算発表がありました。
本記事では、ギリアド(GIL)Dの第3四半期決算の結果について簡潔に纏めています。
ギリアド(GILD)の決算結果: 2020年第3四半期
ギリアド(GILD)の決算(2020年第3四半期)結果は、悪くはなかったです。
ただし、ギリアド(GILD)の2020年第3四半期の売上は前年同期比+18%の$65億に着地しています。
主な成長ドライバーはVeklury(レムデシビル)と主力のHIV製品。
エリア別では、米国で$51億(前年$42億)、ヨーロッパで$8.7億ドル(前年$8.04億)、その他地域で$5.4億ドル(前年$5.13億ドル)となっており、米国での売上成長が大きく伸びています。
<出典:Gilead Sciences Earning report>
ギリアドのProduct Salesを見ると、四半期ベースで+28%成長という結果になっています。
主力のHIV製品が+14%と伸びた事と新型コロナウイルス治療薬のVeklury(レムデシビル)の売上計上が成長のドライバーになっている事が分かります。
特に、2020年第3四半期は、150万回分を無償供給し、7月以降有償供給に切り替えたVeklury(レムデシビル)が最初に売上計上される期間だった為、大きく注目されていました。
ただ、期待値が高すぎたのか、市場予想の$960Mを下回る結果に終わっています。
<出典:Gilead Sciences Earning report>
話題のVeklury(レムデシビル)ですが、2020年7月に欧州、10月に米国で新型コロナウイルス(COVID19)の治療薬として初めて承認されました。
さらに、2020年10月にはCOVID19患者に対してVeklury(レムデシビル)を投与した際の薬効について、「臨床的に有効な治療効果が出ている」事が権威ある医学誌であるNew England Journal of Medicine (“NEJM”)に掲載されています。
世界保健機関(WHO)によると、Veklury(レムデシビル)を投与しても患者の症状に改善の効果は見られなかったという発表がありましたが、実際はVeklury(レムデシビル)を投与する事で、プラセボ患者との比較において、5日間早く回復し、症状の進行を抑える結果が出ています。29人の低酸素患者においては、死亡率の低下も観測されています。
$GILD
レムデシビルは重症者の生存率を上げるとギリアドが主張。WHOのデータに反論。米国NIH主導の国内治験だと酸素レベルの低い重症者生存率を有意に改善した。WHOのデータは解析方法が不正確との主張。
WHOは以前レムデシビルの中国内治験の悪いデータを“誤って”ウェブ公開した前科があるからね。 https://t.co/DpPwAtGpyN
— サイエンスミニオン✨FOMOに克つ! (@Adscience12000) October 29, 2020
ギリアド(GILD)は通年ガイダンスを下方修正
<出典:Gilead Sciences Earning report>
ギリアドは2020年通年の売上高見通しおよびEPSともに、ガイダンスを引き下げています。
ガイダンスの引き下げはあまり好ましくない状況ですが、財務的にもビジネス的にも特に問題を抱えている訳ではない銘柄なので、今すぐに焦って手放したりする必要はないかと思います。
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ギリアド(GILD)の株価推移
ギリアド(GILD)の決算結果を受けて、株価はどのように推移しているのでしょうか?
ギリアド(GILD)の株価推移を見てみましょう。
2020年の年次チャートを見ると、今年は5月に$82台をつけてから、右肩下がりで転がり落ちている状況です。
<出典:TradingView>
新型コロナウイルスの影響で、ロックダウンによる外出禁止や感染リスクを恐れて病院へ行く人が減った事で、主力のHVI製品の売上が当初の期待以上に伸びなかった事が嫌気された事が大きいかと思います。
一方で、同期間は新型コロナウイルス治療薬として期待の高い「レムデシビル」をポートフォリオに持っていたものの、150万本を無償供給した事、さらにレムデシビルはまだ売上計上され始めたばかりである事を考えると、今後に期待したいところです。
全期間チャートを見ると、最高値の半値近くになっていて、割安水準だと思います。
<出典:TradingView>
冴えない株価の動きを見せているギリアドとは対照的に、2020年に入って、株価上昇のギアを上げてきているのが中国版テスラと呼ばれている中国の高級EV(電気自動車)メーカーNIO(ニオ)です。
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ギリアド(GILD)の2020年第4四半期配当
ギリアド(GILD)の2020年第4四半期配当は、1株あたり$0.68となっています。
配当利回りは約4.65%と、株価が下がってきているので、配当利回りも高水準です。
2020年の年間配当利回りは4%を超えていますね。
<出典:Investing.com>
2020年第4四半期の配当権利落ち日は2020年12月15日、配当支払いは12月30日のようです。
特別に慌てて売る材料はないので、インカムゲインをチャリンチャリン得ていきたいと思います。
今の株価は冴えないけれども、将来的なキャピタルゲインが期待でき、年間配当もある優良企業の1つとして2020年6月にIPOでナスダックに上場したロイヤリティファーマ(RPRX)は注目です。
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ギリアド(GILD)の2020年Q3決算結果: まとめ
ギリアド(GILD)の2020年Q3決算結果について、みてきました。
有償供給を開始したレムデシビルの売上貢献度が大きく注目さていましたが、結果は市場予想を下回りました。
とはいえ、主力のHIV製品は堅調に推移し、レムデシビルの売上も加わった事で、コロナ禍にも関わらず、四半期ベースでは+28%の成長をしています。
通年ガイダンスは引き下げられていますが、会社にクリティカルな問題があるわけではないので、個人的には引き続きHOLDしていきたいと思っています。
スプレー式レムデシビルの承認によるマーケットの拡大にも期待ですね。
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以上、ギリアド(GILD)の2020年Q3決算結果でした!!