エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力【米国株2020年注目銘柄】

本記事では、エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。

 

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

 

本記事ではエマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力、直近の動向や株価などについて詳しく解説します。

 

 

本記事を読む事で、なぜエマージェント・バイオソリューションズ(EBS)が注目されているのか、魅力的な投資対象であるのかを理解する事ができます。

 

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力【米国株2020年注目銘柄】


エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)とは?

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)は、1998年9月に創業し、20年以上の歴史があるワクチン製造に強みを持つバイオ医薬品会社。

 

 

もともとバイオテロなどで武器になり得る作用物質の1つである炭疽菌(たんそきん)によるバイオテロに対抗する為のワクチン(Bio Thrax)を製造する事で事業を開始しています。

 

 

米国防衛省や保険福祉省を顧客に持ち、炭疽菌ワクチンや天然痘ワクチンを製造可能な唯一のサプライヤーという立場にある特異的な企業。

 

 

ついんず
国にお墨付きをもらっているワクチン製造のスペシャリスト企業ですね。

 

 

エマージェントは、これまでは「炭疽菌ワクチン」や「天然痘ワクチン」、「点鼻薬スプレー」を売上の柱としてきましたが、2020年以降は、新型コロナウイルスのワクチン製造という新たな売上の源泉を作り始めています。

 

 

実際、トランプ政権主導のOperation Warp Speed(オペレーションワープスピード)計画にも選抜され、既に政府やワクチン開発企業からも大型受注や下請け契約があります。

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の売上変遷と内訳

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)は、創業以来、着実に業績を拡大させていますが、具体的にこれまでの売上と売上の構成を見ていきましょう。

 

  1. エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の売上
  2. エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の売上内訳

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の売上

Emergent_2020Q2 revenue

<出典: エマージェント 2Q2020 FINANCIAL RESULTS APPENDIX>

 

2012年から2019年までの8年間の売上推移です。

 

 

左のグラフの通り、売上は右肩上がりで成長している事が分かります。右側は内訳で、売上の源泉は下記の3つに大きく分けられている事が分かります。

 

  • Product Sales
  • CDMO(Contract Development and Manufacturing Services)
  • Contracts and Grants

 

ウエイトが高いのは、Product Sales。

 

 

Product Salesの売上比率は年々増加し、2019年には約82%を占めている状況です。

 

 

Product Salesの内訳を詳しく見ていきましょう。

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)のProduct Sales内訳

emergent_2020Q2_product sales

<出典: エマージェント 2Q2020 FINANCIAL RESULTS APPENDIX>

 

Product Salesの内訳を見ると、2018年まではAnthrax(炭疽菌ワクチン)が売上を牽引してきたようです。

 

 

そして、2019年時点では、Anthrax(炭疽菌ワクチン)の売上が減少したものの、ACAM2000(天然痘ワクチン)やオピオイド(鎮痛薬)中毒の患者が、過剰摂取で病院に担ぎ込まれた際に投与される「NARCAN(スプレー式点鼻薬)の売上比率が拡大し、ポートフォリオのバランスが上手く取れています。

 

 

もっと詳しくエマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力を見ていきましょう。

 

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力を紹介していきます。

 

  1. 唯一無二のワクチン製造企業
  2. 新型コロナウイルスワクチンの製造請負が大きな売上成長ドライバー
  3. 新型コロナウイルスワクチン銘柄の影の本命企業

 

1つずつ見ていきましょう。

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力①: 唯一無二のワクチン製造企業

 

エマージェントの魅力1つ目は、唯一無二と言っても過言ではないワクチン製造企業である点です。

 

 

米国保健省(HHS)と防衛省を顧客に持つ、国と太いパイプを持つ国策企業であり、炭疽菌ワクチンと天然痘ワクチンの製造が可能な唯一のサプライヤー。

 

 

ワクチン製造技術や量産能力の高さが買われている事が伺い知れます。

 

 

2020年に入って猛威を奮っている新型コロナウイルスのワクチン製造においても、米政府との契約やジョンソンエンドジョンソンやアストラゼネカなどのメガファーマからワクチン製造を依頼されています。

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力②: 新型コロナワクチンの製造請負が大きな売上成長ドライバー

 

通常であれば、ワクチン開発は10年かかると言われています。

 

 

それも、製薬会社が莫大な予算とリソースをかけてようやく日の目をみるレベルのよう。

 

 

そこで、拡大が止まらない新型コロナウイルスの早期沈静化を目指して、政府主導で製薬企業と連携してワクチン開発をする計画、Operation Warp Speed(オペレーションワープスピード計画)を米政府が発表。

 

 

米政府と連携する超精鋭企業は下記の通り選抜されています。

 

  • ファイザー&バイオンテック
  • モデルナ&ロンザ
  • アストラゼネカ&オックスフォード大学(
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン&エマージェント・バイオソリューションズ
  • メルク
  • ノヴァヴァックス
  • ヴァックスアート

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)は、この「Operation Warp Speed計画」の企業に選定されています。

 

 

2020年第2四半期決算では、既にOperation Warp Speed計画から新型コロナウイルスワクチンの生産を受注した事が発表されています。売上高にして約$6.28億に相当します。

 

<出典: emergent 2Q2020 PRESS RELEASE>

 

さらに、エマージェントバイオソリューションズは、新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験を実施する際に必要なワクチン製造契約を多くの企業と締結しています。

 

ノヴァヴァックス

 

ヴァックスアート

 

アストラゼネカやジョンソン・エンド・ジョンソンからも受注しています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンとは、下請けとして2021年から5年契約が決定。最初の2年間で約4.8億ドル相当

こちらも2020年第2四半期決算で発表されています。

 

<出典: emergent 2Q2020 PRESS RELEASE>

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力③: 新型コロナウイルスワクチン銘柄の影の本命企業

 

新型コロナウイルスワクチンの本命は、ファイザー&バイオンテック連合やモデルナ&ロンザ連合という声が多いですが、SARSやMARSワクチンが未だに完成していないことからも、ワクチン開発の難易度は相当高い事が分かります。

 

 

政府主導のOperation Warp Speedに採用されている精鋭企業でさえも、「何事も問題なく臨床試験をパスできるか」、「最終的にワクチンがFDAに承認されるかどうか」、「開発プロジェクトが成功に終わるかどうか」は、誰にも予想できません。

 

 

各社の臨床試験は順調に進んでいますが、「全てのワクチンが承認されない」という全滅のシナリオもまだまだ払拭できない状況です。

 

 

ただし、エマージェントの場合、製薬企業がデザインしたワクチンを製造する企業なので、ワクチンが承認されても、されなくても既に受注している分は確実に売上がたつので、事業に大きな影響は受けにくいです。

 

 

しかも、ワクチンが承認されたら、米政府や承認されたワクチンを開発した製薬企業から大量受注を受ける事が予想されます。

 

 

ハイリスク・ハイリターンと呼ばれているワクチン株への投資の中でも、最もローリスクな銘柄がエマージェントです。

 

 

正直なところ、投資以前の問題として、一刻も速くコロナウイルスの蔓延を抑え込んで欲しいです。

 

 

人々が自由に外出できるような環境を取り戻す為にも、オペレーションワープスピードに採用された企業のワクチン開発の成功を祈るばかりです。

 

 

ワクチンも重要ですが、治療薬も重要です。レムデシビルを扱うギリアド(GILD)は要注目銘柄です。

 

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エマージェント・バイオソリューションズの株価状況

エマージェント・バイオソリューションズの株価ですが、2020年9月8日時点では$105前後で推移しています。

 

エマージェント株価2020年9月

<出典:Google finance>

 

6月中旬あたりに、NARCAN(オピオイド過剰の治療用点鼻スプレー)の特許を巡り、テバ・ファーマから訴訟を起こされた事が原因で、エマージェントの売上約25%を占めるNARCANの売上への影響が懸念された事から一時株価が20%近く急落しました。

 

 

ついんず
振り返って見れば、絶好の買い場でしたね。

 

 

その後もしばらく勢いがない状況が続いていましたが、7月30日の第2四半期の好決算を好感し、株価は一時約$137まで大きく上昇。

 

 

8月以降は、各社、ワクチンの臨床試験に突入。10月中旬までは大きな材料がない為、株価はズルズルと下がっている状況が続いています。

 

 

傾向を見ていると、受注や契約のニュースで一時的に買われていきますが、材料がない際にはズルズルと下がっている感じですね。

 

 

決算は期待できるので、好決算である限りはホールドしたい銘柄です。

 

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エマージェント・バイオソリューションズ: まとめ

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力について紹介してきました。

 

 

簡単に振り返っていきましょう。

 

 

エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)は、米国防衛省や保険福祉省を顧客に持つ、ワクチン製造に強みを持つバイオ医薬品会社。

 

 

既存のポートフォリオで着実に売り上げを伸ばしてきており、さらに、2020年以降は新型コロナウイルスワクチンの製造という新たな事業の種を育てています。

 

 

トランプ政権が主導する新型コロナウイルスワクチンを早期に製品化する為のOperation Warp Speed(オペレーションワープスピード)計画に選抜され、既に米政府からの大型受注やジョンソンエンドジョンソンなどの大手製薬企業との下請け契約も締結。

 

 

モデルナやファイザーなどの新型コロナウイルスワクチン開発チームの臨床試験は順調に進んでいるものの、歴史的にみてもワクチン開発成功のハードルは高く、FDAの承認を得られるかは、分からない状況が続く中で、エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)は受注実績がある事からも、今後も好決算が見込める銘柄の1つ。

 

 

いずれにしても、猛威を振るっている新型コロナウイルスワクチンの承認というグッドニュースを待つばかりです。

 

自由に外出ができない中では、在宅関連銘柄が注目されています。中でも注目なのが、2020年6月にナスダックに上場したばかりのズームインフォ(ZI)です。

 

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以上、エマージェント・バイオソリューションズ(EBS)の魅力【米国株2020年注目銘柄】 でした!!

 

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