米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~

本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

 

本記事では、米国株投資を行う中でも、IPO(新規公開)銘柄への投資を検討する際に知っておきたい「ロックアップ」について解説します。

 

 

本記事を読む事で、「ロックアップとは何か?」「なぜロックアップを行うのか?」といった理由や背景を知る事ができます。

 

 

また、実際に2020年に米国に上場した優良銘柄のロックアップ事情やロックアップ前後の株価の動きを纏めていますので、今後、IPO投資を行う際の投資タイミングや判断の選択肢を増やす事ができます。

 

米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~

【米国株】ロックアップとは?

 

ロックアップとはそもそも何なのでしょうか?

 

 

株式等の募集や売出しを実施した後の需給関係を安定させることを目的として、発行者や大株主等と主幹事証券会社との間で、その後一定期間にわたり原則として株式等の新規発行や売却を行わないことについて合意することをいいます。一般に、ロックアップが設けられている場合は、その内容が目論見書に開示されます。<出典:SMBC日興証券>

 

 

ロックアップ(Lockup)は、主にIPO(新規株式公開)を行う企業に関係します。

 

 

そして、一般的にロックアップとは「IPO後、180日間は上場前に株式を保有している人による株式売却を禁止する」という事を意味し、この180日間の期間をロックアップ(売却禁止)期間と呼んでいます。

 

 

ついんず
なぜIPO企業は「ロックアップ期間」を定めているのでしょうか?

 

 

企業がIPOをする事で、個人投資家らは初めて証券会社を通じて株式の売買が可能になりますが、ベンチャーキャピタルや創業社長や企業役員ら既存株主は、上場前から株を保有しています。

 

 

 

上場のタイミングで、上場前から株式を保有している既存株主による大きな売りが出れば、株価の大幅な下落や需給の悪化が起こる可能性が懸念されます。

 

 

なので、ロックアップ期間を設定している理由は、平たく言うと、「新規上場した企業の株価の安定性やそれに伴う企業の評判を担保する為」と言えます。

 

 

実際、IPOをする際には、企業は売出目論見書(Prospectus)を通じて情報開示を行いますが、売出目論見書の中にはロックアップ契約(Lock-up Agreement/Arrangement)条項の記載があり、そこには既存株主やベンチャーキャピタルなどによる一定期間の株式売却を禁止する旨が明記されています。

 

 

 

裏返すと、一定期間(一般的には180日)が経過した後は、既存株主やインサイダーは保有株を売却できるようになります(ロックアウト)。そうすると、既存株主による売り圧力がかかり、株価は軟調になるケースが多いです。

 

 

 

株価が軟調になると、個人投資家の投資妙味や興味も薄れてきますので、企業側としては対策を打つ必要がでてきます。

 

 

 

例えば、2020年に米国株式市場に上場した企業の中には、IPO後初の決算を好決算でクリアした後、ロックアップ前後に公募増資を行っている企業がチラホラ見受けられました。新規株主の買いと既存株主の売り圧力をならす手段なのかと思います。

 

 

 

ちなみに、公募増資の際は、個人投資家にとっては絶好の買い場です。詳しくは下記の記事に詳しく纏めています。

 

 

>>>公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~

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2020年に米国株式市場に上場した企業のロックアップ事情について具体的に見ていきましょう。

 

米国株のロックアップ:2020年IPO優良銘柄の事例

米国株ロックカップ~2020年IPO優良銘柄の事例~

 

2020年に米国株式市場に上場した企業の中から下記の3社について、事例を見ていきたいと思います。

 

 

また、3社以外にも2020年に米国株式市場に上場した優良銘柄がありますので、それらのロックアップ解除予定日も一覧で記載しておきます。

 

 

  1. ズームインフォ(ZI)
  2. ロイヤリティファーマ(RPRX)
  3. グッドアールエックス(GDRX)
  4. 米国IPO優良銘柄のロックアップ解除予定日一覧

 

1つずつ見ていきましょう。

 

米国株のロックアップ銘柄①:ズームインフォ(ZI)

米国株のロックアップ銘柄の1つ目は、2020年6月4日に米国ナスダック市場に上場したズームインフォ(ZI)です。

 

 

ズームインフォ(ZI)は、営業マン向けに常に最新かつ正確で包括的な顧客データベースをクラウド経由で提供可能なプラットフォームを運営し、サブスクリプションモデルで提供している会社です。

 

 

ズームインフォ(ZI)のIPO引受け幹事は「JPモルガン」、「モルガンスタンレー」「クレディスイス」らが努め、上場初日の終値は34ドルと売り出し価格を62%も上回り、大きな注目を集めました。

 

 

ズームインフォ(ZI)のロックアップ期間は180日間です。

 

 

売出目論見書(Prospectus)のLock-up Arrangement内に明記されています。

 

ズームインフォのロックアップ記載内容

<出典:ズームインフォ(ZI)売出目論見書>

 

めちゃくちゃ長ったらしく、小難しく記載されていますが、ズームインフォ(ZI)のロックアップ期間については下記に抜粋した文章に記載があります。

 

 

~the prior written consent of certain underwriters for a period of 180 days after the date of this prospectus.

 

 

主幹事証券会社の書面での事前合意なくして、売出目論見書発行後、180日以内の株式売却は認めない」という内容です。

 

 

ズームインフォ(ZI)のロックアップ解除日は、2020年12月1日となっています。

 

 

なお、ズームインフォ(ZI)は、IPO後の決算を2回ともクリアしています。

 

 

また、ズームインフォ(ZI)は公募増資も実施。2020年第3四半期決算を発表後、ロックアップ期限解除付近で、売出価格$45で公募増資を実施しています。

 

ズームインフォ(ZI)のロックアップ後の株価推移

<出典:Trading View>

 

チャートを見ると、12月2日以降、ロックアップの影響も手伝ってか、売出価格を割り込んで推移している状況です。

 

 

 

タックスロスセリングの影響も受けているのかもしれません。

 

 

今すぐ焦って飛び乗る必要はなさそうなので、しばらく様子見をしていきたいところです。

 

 

ズームインフォについてもっと詳しく知りたい人は、下記の記事に詳しく纏めていますので、参考にして下さい。

 

>>>ズームインフォ(ZI)の魅力【米国株の2020年IPO優良銘柄】

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米国株のロックアップ銘柄②:ロイヤリティファーマ(RPRX)

米国株のロックアップ銘柄の2つ目は、2020年6月16日に米国のナスダック市場に上場したロイヤリティファーマ(RPRX)です。

 

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)は、新薬の特許ビジネスを行っています。開発中の新薬のロイヤリティ(特許)を探し出し、将来性がありそうであれば早期に特許を買い取り、新薬市場に流通されたら、販売元の製薬企業などから特許収入を受け取るというユニークな事業モデルを行っている企業です。

 

 

 

また、上場時点で、既に黒字化し、配当も発表している超キャッシュリッチ企業です。

 

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)のIPO引受け幹事は「JPモルガン」、「モルガンスタンレー」、「BofAセキュリティーズ」らが努め、上場初日の終値は、44.5ドルと売り出し価格を59%も上回っています。

 

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)のロックアップ期間は180日間です。

 

 

ズームインフォ(ZI)同様に売出目論見書(Prospectus)のLock-up Arrangement内に明記されています。

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)のロックアップ記載内容

<出典:ロイヤリティファーマ(RPRX)売出目論見書>

 

こちらもズームインフォ(ZI)同様にダラダラと記載がありますが、ロックアップ期間については下記に抜粋した文章に記載があります。

 

 

~shares for a period of 180days after the date of this prospectus, without the prior written consent of ~

 

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)のロックアップ解除日は、2020年12月14日となっています。

 

 

なお、ロイヤリティファーマ(RPRX)は、IPO後の決算は2回ともクリアしています。

 

 

また、ロイヤリティファーマ(RPRX)は公募増資を実施。2020年10月中旬に売出価格$42で発表しました。一時期、売出価格を割れて$35まで落ちましたが、戻ってきています。

 

 

14日にロックアップを迎えましたが、今のところ大きな売り込みはなさそうです。

 

RPRXロックアップ後の株価推移

<出典:Trading View>

 

全体的に株価はまだ低空飛行していますが、どちらかというと急激に加速する類の銘柄ではなく、クレジットカード会社のビザ(V)のように、何年もかけて右肩上がりで成長していく銘柄と言われています。

 

 

ロイヤリティファーマ(RPRX)について、もっと詳しく知りたい人は下記の記事に詳しく纏めていますので、参考にして下さい。

 

>>>ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力【米国株の2020年IPO優良銘柄】

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ロイヤリティ・ファーマサムネイル

 

米国株のロックアップ期間③:グッドアールエックス(GDRX)

米国株のロックアップ銘柄の3つ目は、2020年9月23日に米国のナスダック市場に上場したグッドアールエックス(GDRX)です。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)は、スマホアプリ上で処方箋薬価の比較検索が可能なプラットフォームと処方箋薬価のディスカウントクーポンを提供している会社です。

 

 

また、ロイヤリティファーマ(RPRX)同様に上場時点で、既に黒字化。また、ユーザーからは圧倒的な人気と評判の高さを誇り、その証拠としてNPSは90という驚異的な数字を獲得しています。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)のIPO引受け幹事は、「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」、「JPモルガン」らが努め、上場初日の終値は$50.5となり、一時は売り出し価格を57%上回りました。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)のロックアップ期間は180日間です。

 

 

ズームインフォ(ZI)やロイヤルティファーマ(RPRX)同様に売出目論見書(Prospectus)のLock-up Arrangement内に明記されています。

 

グッドアールエックス(GDRX)のロックアップ記載内容

<出典:グッドアールエックス(GDRX)売出目論見書>

 

ズームインフォ(ZI)やロイヤルティファーマ(RPRX)同様に長文で記載されていますが、ロックアップ期間については下記に抜粋した文章に記載があります。

 

 

~during the period ending 180 days after the date of this prospectus

 

 

加えて、グッドアールエックス(GDRX)にはベンチャーキャピタルのシルバーレイクも出資しており、シルバーレイクのPurchase Agreementについても条項の記載があります。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)のロックアップ記載内容(シルバーレイク)

<出典:グッドアールエックス(GDRX)売出目論見書>

 

 

~for a period of 180 days after the date of this prospectus

 

 

グッドアールエックス(GDRX)のロックアップ解除日は、シルバーレイク含めて2021年3月21日となっています。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)は、IPO後初の決算は無事にクリアしています。

 

 

ただ、AmazonによるAmazon Pharmacyの発表に株価は一時、大きく売り込まれました。

 

 

また、新型コロナウイルスの第3波の影響により、外出を控える人が増えている為、通年決算はMonthly Active Userの鈍化が懸念されます。

 

 

その後、ロックアップが21年3月に控えている事を考えると、しばらく低空飛行が続きそうな気がしなくもありません。

 

 

グッドアールエックス(GDRX)について、もっと詳しく知りたい人は下記の記事に詳しく纏めていますので、参考にして下さい。

 

>>>【米国のIPO2020年優良銘柄】 グッドアールエックス(GDRX)の魅力

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【米国のIPO2020年優良銘柄】 グッドアールエックス(GDRX)の魅力

 

米国IPO優良銘柄のロックアップ解除予定日一覧

2020年に米国株式市場に上場したその他の優良IPO銘柄のロックアップ解除予定日を掲載しておきます。

 

ロックアップ解除予定
エヌシーノ(NCNO)2021年1月11日
リーオート(LI)2021年1月26日
シャオペン(XPEV)2021年2月23日
ユニティ(U)2021年3月17日
シースリーエーアイ(AI)2021年6月7日

 

米国株のロックアップ期限については、MarketBeatで簡単に調べられます。

 

 

IPOを予定している企業の事業概要、ビジネスリスク、財務情報など詳しい一次情報を取得したい場合は、米国証券取引所委員会(SEC)が管理、運営しているオンライン公開データベースのEDGARを使う事をオススメします。

 

 

>>EDGARの使い方~米国株の情報収集に欠かせないSECのオンラインデータベース~

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米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~: まとめ

米国株のロックアップによる株価の影響は?という内容で、ロックアップの定義や2020年にIPOした米国株の事例を見てきました。

 

 

簡単に振り返っていきましょう。

 

 

ロックアップとは「IPO後、180日間は上場前に株式を保有している人による株式売却を禁止する」という事を意味します。

 

 

ロックアップ期間を設定している理由は、「上場直後に既存株主からの株主売却による株価下落を回避し、株価の安定性やそれに伴う企業の評判を担保する為」です。

 

 

一般的には180日後にロックアップ解除され、2020年にIPOした米国株の中では、記事内で紹介したズームインフォ(ZI)・ロイヤリティファーマ(RPRX)、グッドアールエックス(GDRX)のいずれもロックアップ期間は180日間でした。

 

 

また、ロックアップ解除後は一般的に売り圧がかかります。こうした対策の1つとして、ズームインフォ(ZI)の場合、ロックアップ解除日に公募増資を実施しています。

 

 

企業が好決算を出している限り、ロックアップや公募増資による株価の下落は一時的なものなので、新規購入や買い増しのチャンスになるかと思います。

 

 

IPO投資においては、将来大化けするような銘柄の発掘、フィルタリング、分析に多くの労力と時間がかかります。

 

 

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以上、米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~でした!!

米国株ロックアップの影響~2020年IPO優良銘柄の事例~
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