- ロイヤリティファーマはどんな会社?
- ロイヤリティファーマはどんな強みや魅力がある?
- ロイヤルティファーマのIPO情報は?
本記事では、米国で2020年にIPOされたロイヤリティファーマ(RPRX)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
2020年で最も有望視されているIPOとして注目を浴び、2020年最大の時価総額を叩きだし、ナスダック上場時にも大きなインパクトを残したロイヤリティファーマ(RPRX)。
本記事では、ロイヤリティファーマの魅力、IPO情報、直近の株価などについて詳しく解説します。
本記事を読む事で、なぜロイヤリティファーマが注目されているのか、魅力的な投資対象であるのかを理解する事ができます。
ロイヤリティファーマ(RPRX)とは?: 2020年最注目の米国IPO
ロイヤリティファーマ(RPRX)は1996年に設立され、15年近い歴史ある企業です。
社名の「ロイヤリティ」とは、特許権を指しており、新薬の特許ビジネスを行っています。
販売先の製薬企業は、ジョンソンエンドジョンソン、ギリアド・サイエンシズ、メルク、ファイザーなど誰もが知る大手企業ばかり。
製薬企業からロイヤリティ収入を得ながら、次なる新薬を探し、将来のロイヤリティに再投資するというサイクルを効率よく回す事で事業を拡大しています。
この一連のサイクルを回しているのは、投資銀行出身者などの超少数精鋭のプロ集団35名で、彼らの目利き力が他者には真似できない大きな参入障壁となっており、製薬パテントビジネスのマーケットにおけるロイヤリティファーマのシェアは60%を超え、独占状態です。
また、通常、上場したばかりの企業では考えられませんが、既に潤沢なキャッシュを持っているので、上場初年度から年間配当も出ます。
じっちゃまも上場前から推奨している銘柄の1つで、2021年11月には投資の神様バフェットも購入しています。
>>>【じっちゃま銘柄】ロイヤリティファーマをバフェットが購入~RPRXは投資の神様銘柄になりました~
じっちゃまが2020年から推奨しているロイヤリティファーマ(RPRX)にビッグニュースが飛び込んできました! 2020年にIPOでナスダックに上場する前からじっちゃまが「キャッシュフローのゴジラ」と[…]
ロイヤリティファーマ(RPRX)のIPOは2020年最大規模
ロイヤリテファーマ(RPRX)のIPO情報一覧は下記の通り。
IPO実施時期 | 2020年6月16日 |
ティッカーシンボル | RPRX |
発行株数 | 7,000万株 |
価格 | 25~28ドル |
引受け幹事 | JPモルガン モルガンスタンレー BofAセキュリティーズ ゴールドマンサックス シティグループ UBS |
ロイヤリティファーマ(RPRX)は、2020年6月16日に米国のナスダック市場に上場。
初日の終値は、44.5ドル(約4800円)と、売り出し価格を59%も上回りました。
ロイヤリティファーマ(RPRX)のIPOには、引受け幹事として「JPモルガン」、「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」の御三家が揃い、ウォール街の大手投資銀行全てこぞって参加しています。
<出典: ロイヤリティファーマ売出目論見書>
「IPOの主幹事や参加している投資銀行がどこか」を見る事は、その銘柄への投資が「良いディールなのかどうか」を判断する為の1つの材料になります。主幹事証券を見る事で、一流の金融プロフェッショナル集団に達によるデューデリジェンスをクリアし、「是非とも主幹事を引き受けたい」と言わせるだけの魅力があったという事実が確認できます。主幹事証券を見るだけでも、ロイヤリティファーマ(RPRX)は超優良案件ディールである事が分かります。
さらに、ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力を見ていきましょう。
ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力・強み
ロイヤリティファーマ(RPRX)が、米国株のIPO銘柄で2020年最も注目されている理由は何でしょうか?
ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力・強みを5つ紹介していきます。
- 参入障壁の高いビジネス
- 45のロイヤリティを保有し、22がブロックバスター薬
- キャッシュリッチを超えて、ボロ儲けている
- 特許権市場のシェアは60%
- 配当
1つずつ見ていきましょう。
ロイヤリティファーマの魅力・強み①:参入障壁の高いビジネス
ロイヤリティファーマの魅力・強み1つ目は「参入障壁の高いビジネス」です。
将来ビジネスになりそうな新薬の種を見極めるには、その分野に精通した人材による「目利き力」が重要になってきます。
ロイヤリティファーマの従業員は35名のみですが、その大半がウォール街でアナリストとして働いた経験がある人や製薬業界に精通した人などのプロ集団です。
少数精鋭のプロ集団の目利きの高さを証明するのが、これから紹介する「ポートフォリオの数」と「ブロックバスター薬」の多さです。
ロイヤリティファーマの魅力・強み②:45のロイヤリティを保有し、22がブロックバスター薬
ロイヤリティファーマの魅力・強み2つ目は「45のロイヤリティを保有し、22がブロックバスター薬」です。
しかも、そのうちの約半分の22が1つの薬で年間1,000億円以上の売上を生み出すブロックバスターです。
ブロックバスターとは、統一的な定義が存在するわけではないが、1剤で年商10億ドル(約1000億円)を超える新薬に対して用いられることが多く、欧州委員会でもこの立場を取っている。ボストン・コンサルティング・グループでは、ピーク時の世界での年間売上げ高が5億ドル以上の医薬品をブロックバスターと呼ぶと定義している。
<Wikipediaより引用>
大手製薬会社でもブロックバスター薬の所有数は、多くても6~7と言われているので、22ものブロックバスターのパテントを所有している事は驚異的です。
その凄さは下記のグラフを見ると分かります。
そして、驚くべきは、右側の積み上げ棒グラフが示している大手製薬企業が平均して保有するブロックバスター特許数との比較です。
ロイヤリティファーマは、大手製薬企業が平均して保有するブロックバスターの3倍の数のパテントの一部を保有している事になります。
しかも、ロイヤリティファーマはブロックバスターのパテント数を着実に増やしている事が下記のグラフから分かります。
<出典: ロイヤリティファーマS-1>
2011年時点では、ブロックバスター薬の特許保有数は「10」でしたが、2020年時点では「22」とその数は約2倍に大きく伸ばしています。
ロイヤリティファーマが現在、取り扱っている主なブロックバスターのパテントポートフォリオは下記の通り。
<出典: ロイヤリティファーマ売出目論見書>
- Abbv、J&Jの「イムブルビカ」
- Biogenの「タイサブリ」「テックフィデラ」
- Merkの「ジャヌビア」
- Pfizerの「リリカ」
など、大手製薬メーカーが販売しているブロックバスターの特許がポートフォリオに組み込まれています。
通常、パテント期間は約15年と言われています。
直近では、Abbvの「ヒュミラ」などの大型ブロックバスター薬の特許切れにより、2019年は減収になったものの、他の新薬のパイプラインが揃っている為、影響は限定的と見られており、ロイヤリティファーマは今後もトップラインは年率成長率6~9%ペースでの成長していくと予測されています。
ロイヤリティファーマは、2020年以前にいつでも上場できるタイミングはあったが、大型ブロックバスター薬の特許切れを節目に、「満を持して上場したのではないか」と言われています。
ロイヤリティファーマの魅力・強み③: 特許権市場で圧倒的なマーケットリーダー
ロイヤリティファーマの魅力・強み3つ目は「特許権市場で圧倒的なマーケットリーダー」です。
ロイヤリティファーマは下記のグラフを用いて、各フェーズ別のパテント買収金額や市場シェアを表現しています。
<出典: ロイヤリティ・ファーマ売出目論見書>
パテント買収額が増えるにつれて、マーケットシェアは拡大しており、2011年時点でのシェアは40%前後だったマーケットシェアは2012年以降は60%近くまで拡大させています。
まさに「市場に敵なし」というレベルの強さで、それだけ特許権ビジネスの難しさや参入障壁の高さがある市場である事が伺い知れます。
特許権の買収金額の増加と共に、マーケットシェアを着実に伸ばしてきているので、上場する事でさらに大きな資金調達が可能になる為、ロイヤリティファーマの勢いは今後、さらに加速していく事が予想されます。
ロイヤリティファーマの魅力・強み④: キャッシュリッチを超えて、ボロ儲けている
ロイヤリティファーマの魅力・強み4つ目は「キャッシュリッチを超えて、ボロ儲けている」です。
じっちゃまが言うには、「ロイヤリティファーマはキャッシュフローのGodzilla」だそうですw
実際、2019年には1,600億円以上の利益が出ています。
<出典: ロイヤリティファーマ売出目論見書>
ロイヤルティファーマの場合、パテントを頻繁に売買するなど恒常的にキャッシュの出入りがある為、通常の企業と同じ尺度では売上と利益を見れない性質があります。
ロイヤリティファーマ(RPRX)の過去5年間の売上と利益の推移をグラフ化したものが下記です。
<出典: ロイヤリティファーマ売出目論見書の数字を基に筆者が作成>
売上と利益がほぼ同じ数字ですね。コストがほとんどかからない高利益体質である事が分かります。
ロイヤリティファーマの魅力・強み⑤: 配当
ロイヤリティファーマの魅力・強み5つ目は「配当」です。
通常、新規上場後は株主還元よりも成長重視で、積極的な投資を行う事で成長スピードを加速させていくと思うのですが、ロイヤリティファーマの場合、既に大企業を凌駕するほど、儲かりまくっているので余力が十分にあるのでしょう。
現時点では、年間配当60セント、配当利回り2%が見込まれています。
将来的に増配も期待できると思うので、個人的には、キャピタルゲインとインカムゲインの両取りができる銘柄だと思っています。
>>>ロイヤリティファーマの配当はいつもらえる?~配当月や利回りを知っておこう~
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ロイヤリティファーマのIPO後の株価状況
ロイヤリティファーマ(RPRX)の株価ですが、IPO後、約1ヶ月後の2020年7月16日時点では、$43前後で推移しています。
<出典:Google finance>
IPO後は少し値を下げたものの、一時$52近くまで上げてきたので、その勢いを保ちながらじわじわと上昇していくと思っていましたが、その後は特に悪材料もなく、ズルズルと下げてきている状況です。
私もIPO初日に購入し、本記事を執筆時点では絶賛含み損中ですw
また、ロイヤリティファーマ(RPRX)はロックアップ期間があるので、ロックアップ解除後まで、短期的には動きが重くなるかもしれません。
>>>米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~
本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。 【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人 […]
ただ、短期売買目的で投資していないのであまり心配していません。私と同様にロイヤリティファーマ(RPRX)は中長期目線で購入しているホルダーが多いと感じています。
ロイヤリティファーマ(RPRX)は時間がかかってでもテンバガーになりうるポテンシャルを持っている銘柄だと考えられているからです。
「もっと短期間で資産を爆増させたい!」「資産が少なくても大きく稼ぎたい!」という方は、グロース株や仮想通貨などへの投資を検討しましょう。
>>>仮想通貨取引をするならコインチェックの口座開設をすべき理由
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ロイヤリティファーマはテンバガー候補?
ロイヤリティファーマがテンバガー候補と思われている理由の1つが、ロイヤリティファーマ(RPRX)の株価の値動きはクレジットカード最大手のビザ(V)のような値動きになるだろうと言われているからです。
ロイヤリティファーマ(RPRX)の株価のベンチマークになるかもしれないビザ(V)の株価の値動きを見てみましょう。
10年以上前に上場しているビザ(V)の株価を全期間チャートで見ると下記の通りです。
<出典: Tradingview>
IPO後は約$15ドルで推移していたビザ(V)の株価は2020年9月時点で、$200ドルを超えています。
キレイな右肩上がりのチャートを描き、10年近くをかけてテンバガーとなっていますが、本格的な上昇を開始したのは、2012年からです。
今、ロイヤリティファーマを所有しているホルダーは、2008年のIPO直後にビザ(V)を購入したホルダーと同じようなもどかしい心境にあるのかもしれません。
もしロイヤリティファーマ(RPRX)がビザ(V)のような軌跡を辿るとすれば、今すぐ焦ってロイヤリティファーマ株を購入をする必要はなさそうです。
数年間は他の銘柄で資金を増やすのも、安値で淡々と一定数をaccumulationしていくのも良い選択だと思います。
ロイヤリティファーマがテンバガーに向けて大きく上昇しだす前に、一定数を仕込んでおき後はホールドした事を忘れておくぐらいのスタンスがちょうど良いかもしれません。
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ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力【米国株の2020年IPO優良銘柄】: まとめ
ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力・強みについて紹介してきました。
簡単に振り返っていきましょう。
2020年6月16日、ワーナーミュージックの時価総額を簡単に破り、満を持してナスダック市場に上場したロイヤリティファーマの魅力・強みは主に5つありました。
- 参入障壁の高いビジネス
- 45のロイヤリティを保有し、22がブロックバスター薬
- キャッシュリッチを超えて、ボロ儲けている
- 特許権市場のシェアは60%
- 上場後、いきなり年間配当60セント、配当利回り2%
参入障壁が高く、コストのかからないビジネスモデルを展開、 多くのブロックバスター薬のロイヤリティを有し、圧倒的な実績を持つマーケットリーダー。
こんな魅力的な会社なかなかありませんよね?
ロイヤリティファーマはテンバガー候補として、個人的には数年間保有したい超優良銘柄の1つです。
まずは、IPO後初の四半期決算を心待ちにしたいと思います。
(追記)ロイヤリティファーマのIPO後初めての決算が2020年8月に発表されました。注目されていた最初の決算結果や内容については、下記の記事に詳しく纏めています。
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本記事では、今後の投資銘柄選定や、類似銘柄の株価動向予測やパターン分析などに参考にする為に個人的に気になる企業や市場参加者の注目度が高い企業の「決算結果」、「決算発表後の株価の動き」等について纏めています。 &nb[…]
以上、ロイヤリティファーマ(RPRX)の魅力【米国株の2020年IPO優良銘柄】でした!!