公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~

  • 2020年9月14日
  • 2021年2月15日
  • 生活

本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

本記事では、「公募増資の発表をした企業の株価がどう動くのか?]を2020年に公募増資を行った企業を事例に、公募増資前後の株価格の推移を纏めています。

 

当時の状況や背景、公募増資前後の株価格の動きなどをレトロスペクティブに振り返る事で、今後の長い投資人生の中で類似ケースがでてきた際の参考材料として残しておきたいと考えています。

 

本記事を読む事で、公募増資後の値動きのパターンを知る事ができ、投資タイミングや判断の選択肢を増やす事ができます。

 

公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~


公募増資で株価はどう動く?買い?売り?

 

結論から言うと、公募増資のニュースが出ると、一時的に株価が下落するケースが多いです。

 

具体的には、公募増資時の売り出し価格まで下落するケースが多いです。

 

その場合、「主幹事証券が売り出し価格を割り込まないように買い支えができるかどうか」が重要になってきます。

 

公募が発表された時点で該当株式を保有している場合は、「損失を出したくない」もしくは「利幅を狭めたくない」のであれば、一時的に売却し、株価が下がったタイミングで再購入するのが安全かもしれません。

 

もちろん、公募増資が発表されたタイミングでの新規買い付けや買い増しは、避けた方が良いです。

 

ただ、あくまでも短期目線での話で、長期であれば公募増資は一時的な下げ材料に過ぎず、その後大きく上昇するケースもあるので、投資スタンスとが重要になってきます。

 

公募増資の発表のタイミングで該当株式を保有していない人は、公募増資のニュースにより、株価が一定期間下落した後に、タイミングを見計らって割安価格で購入できるので、公募増資は絶好の買い場になりえます。

 

公募増資とは?

公募増資とはそもそも何なのでしょうか?

 

公募増資とは、新しい株式を発行するに当たり、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘すること。公募増資の目的は、設備投資などの資金を広く一般投資家から集めるためで、それと同時に、株主層の拡大や株式の流通量の増加というメリットもあります。公募増資の際の価格は通常、時価に近い多少割安な水準に決められて、既存株主の利益を損なわないように配慮されています。

<出典:SMBC日興証券>

 

平たく言うと、企業が更に成長していく為に必要な人材確保や設備投資、企業買収などといった投要資金を確保する為の資金調達手段です。

 

資金の確保を公に募集する、株式と資金の交換という形で行うのが公募増資です。

 

そんな事よりも、個人投資家として知りたいのは、「公募増資は買いなのか、売りなのか、どのタイミングで買えば良いのか」というところだと思います。

 

今後の投資判断の参考材料として、具体的に公募増資を行った企業と株価の推移を見ていきましょう。

 

公募増資と株価の推移:2020年に公募増資を行った米国企業の事例

公募増資と株価の関係

公募増資と株価の関係性を把握する為に、2020年に公募増資を行った米国企業企業、数社を事例にして、見ていきましょう。

 

今回ピックアップしたのは下記の5社です。いずれも各方面から注目されている注目度の高い銘柄です。

 

  1. モデルナ(MRNA)
  2. バイオンテック(NBTX)
  3. ニオ(NIO)
  4. プラグ・パワー(PLUG)
  5. ドラフトキングス(DKNG)

 

1つずつ見ていきましょう。

 

公募増資と株価の推移事例①: モデルナ(MRNA)

 

新型コロナウイルスワクチンを開発しているモデルナ(MRNA)は、2020年5月18日に$76で1,760万株の公募増資を実施しています。

 

公募増資前の株価は、下記の株価チャートの通り、$80近くをつけ、最高値を更新している状況でした。

 

公募増資前に、モデルナ側がプレスリリースにて、第1相臨床試験が上手くいっているというニュースを出した事で、勢いのある状況でした。

 

モデルナMRNA公募増資2020年

<モデルナ(MRNA)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

しかし、公募増資が発表された後は、株価チャートの通り、大きく下落しています。

 

モデルナMRNA公募増資2020年

<モデルナ(MRNA)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

公募増資発表後、10日間で株価は▲35%と大きく下落し、一時、$56をつけています。

 

 

公募増資前に株を保有していた場合、公募増資発表のタイミングで売り、落ち着いたところで買い戻せば、大きく利益の確保ができていた事が分かります。

 

もし、公募増資前に株を持っていなくても、公募増資後に株価が落ち着いたタイミングで購入すればOKでした。

 

モデルナは、米国政府主導のOperation Warp Speedに採用され、バイオンテックと並び新型コロナウイルスワクチンの本命銘柄と言われています。

 

ただ、ワクチン承認のハードルは高く、投資観点からすると、ハイリスク・ハイリターンです。

 

比較的ローリスクなのはワクチン製造を請け負っているバイオ医薬品会社のエマージェントです。

 

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米国株エマージェント

 

公募増資と株価の推移事例②: バイオンテック(NBTX)

 

バイオンテック(BNTX)は、モデルナ(MRNA)同様に、Operation Warp Speedに選定されている新型コロナウイルスワクチン開発の本命企業です。

 

バイオンテック(BNTX)は、2020年7月21日に$93で公募増資の実施を発表しています。

 

 

株価はモデルナ(MRNA)の時と同じように、公募増資発表後に大きく下落しています。

 

バイオンテックBNTX公募増資1

<バイオンテック(BNTX)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

モデルナ(MRNA)の場合、一時的に大きく下落したものの、株価が戻し最高値を更新する局面がありましたが、バイオンテックの場合、主幹事証券であるJPモルガンが公募増資の売り出し価格を守れず、公募増資以降、株価はズルズルと下落しています。

 

 

 

公募増資と株価の推移事例③: NIO(ニオ)

 

NIO(ニオ)は「中国版Tesla」と呼ばれている中国の高級EVメーカーです。

 

中国では大気汚染防止を目的とし、EVが推奨されており、EV市場規模は年々に拡大傾向にある中で、着実に販売実績を伸ばしてきているのがNIO(ニオ)です。

 

>>>NIOの将来性~中国のEV市場を牽引する中国版テスラ~

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そんなNIO(ニオ)は、2020年8月27日と31日に$17で2回目の増資の実施を発表。

 

 

増資発表前には、8月11日に発表された2020年第2四半期決算が好調だった事に加え、8月下旬には株価ターゲットの上方修正もあり、2日間で+30%近い上昇が見られていました。

 

増資発表を受け、NIOの株価はプレマーケットで一時▲7.9%の下落を記録

 

 

当日の取引開始後には、一時調達価格の$17を割り込みましたが、主幹事証券のモルガンスタンレーが買い支え、引けで大きく回復する力強い動きを見せていました。

 

ニオNIO公募増資2020年

<NIO(ニオ)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

9月に入ってから、大きめの下落が見られていますが、マーケット全体がリスクオフで地合いが悪くなっている事が原因です。

 

9月7日のLabor Day以降のマーケット心理の切り替わりや、11月3日の米国大統領選挙の動向、割高株の調整局面などが考えられています。

 

また、NIO以外にも中国EV市場を牽引する有力企業であるLi AutoとXPEVは2020年に上場後、揃って公募増資を行っています。

 

NIOも含めた各社の公募増資のタイミングや公募増資後の株価推移などについて、下記の記事に詳しく纏めています。

 

>>>公募増資と株価の動きを徹底検証~米国上場の中国EVメーカー編~

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中国EVメーカーの公募増資と株価推移

 

公募増資と株価の推移事例④: プラグパワー(PLUG)

 

プラグパワー(PLUG)は、マーケットの中でも注目度の高いクリーンエネルギー関連銘柄の1つで、アマゾンやホームデポなどの倉庫にあるフォークリフトの駆動などに利用される燃料電池を扱っているメーカーです。

 

プラグパワー(PLUG)は、2020年8月10日に$10.25での公募増資を発表しています。

 

 

プラグパワー(PLUG)も上述した3社会と同様に、公募増資発表後に下落しています。

 

プラグパワーPLUG公募増資2020年

<プラグパワー(PLUG)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

プレマーケットでも▲7%近い下落を記録しましたが、マーケットが開けてからは、主幹事証券のモルガンスタンレーの買い支えもあり、公募増資の売り出し価格を守り、その後、株価は上昇しています。

 

https://twitter.com/japanchart1/status/1293339762862862336?s=20

 

公募増資と株価の推移事例⑤: ドラフトキングズ(DKNG)

ドラフトキングス(DKNG)は、デジタルスポーツやオンライン上でのスポーツカジノを運営する米国企業です。

 

ドラフトキングス(DKNG)は、2020年4月に通常のIPOを行わずにナスダックに上場している、いわゆるSPAC銘柄です。

SPACについては下記の記事にて詳しく紹介しています。

 

>>>SPAC銘柄の買い時は?米国株を事例に株価の動きを徹底調査

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SPAC銘柄の買い時は?米国株の株価推移を徹底調査

 

ドラフトキングス(DKNG)は上場後の6月と10月に2回、公募増資を行っており、いずれも公募増資の売出価格付近、もしくは売出か価格を割れる水準まで落ちています。

 

ドラフトキングス(DKNG)の公募増資と株価推移

<ドラフトキングス(DKNG)公募増資と株価の推移事例:Trading View>

 

特に、10月の公募増資時は、当時の地合いの悪さも手伝ってか、売出価格$52を一時大きく割り込み、$38まで株価は下落しました。

 

この時は売出価格発表翌日のマーケットでは、$52を維持して引けたのですが、2日後から暴落しています。

 

売出価格$52を維持したのを確認してからインしたのですが、一時的に含み損を抱えてしまった苦い思い出があります。

 

>>>ドラフトキングス(DKNG)の株価に影響を与えた重大ニュース【2021年注目の米国株SPAC銘柄】

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公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~: まとめ

 

簡単に振り返っていきましょう。

 

公募増資とは、企業が更に成長していく為に必要な人材確保や設備投資、企業買収などといった投要資金を確保する為の資金調達手段の1つ。

 

公募増資のニュースが出ると、短期的には公募増資時の売り出し価格まで株価が下落するケースが多い傾向にあります

 

実際、本記事の中で紹介した2020年に公募増資を実施したモデルナ(MRNA)、バイオンテック(BNTX)、ニオ(NIO)、プラグパワー(PLUG)の全ての株価は売り出し価格付近まで、一時的に大きく下落しています。

 

2020年10月にはロイヤリティファーマ(RPRX)も公募増資を実施し、その後株価は下落しています。

 

公募増資の際は、「主幹事証券が売り出し価格を割り込まないように買い支えができるかどうか」を注視しながら、買いタイミングを狙いたいところです。

 

新規購入の場合は、公募増資ニュースによる株価の下落は割安に仕込める絶好の買い場となります。

 

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以上、公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~でした!!

公募増資と株価の関係
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