- マルケタ(MQ)はどんな会社?
- マルケタ(MQ)はどんな強みや魅力がある?
- マルケタ(MQ)のIPO情報は?
本記事では、米国で2021年にIPOされたマルケタ(MQ)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
本記事では、マルケタ(MQ)の魅力、IPO情報、直近の株価などについて詳しく解説します。
本記事を読む事で、なぜマルケタ(MQ)が注目されているのか、魅力的な投資対象であるのかを理解する事ができます。
米国株マルケタ(MQ)とは?
マルケタ(MQ)は、デジタル経済の中心となりうるモダンカード発行プラットフォーマーとして最も注目されている企業のうちの1つ。
マルケタは2010年に設立され、カリフォルニア州オークランドに拠点を置く米国企業です。
マルケタ(MQ)を一言で表現すると、これまでの概念やインフラを覆す革新的な技術やビジネスモデルを持つ破壊的企業。
実際、マルケタ(MQ)はCNBC Disruptor 50に2回選出され、2021年のリストではランキングの第7位に位置付けている事からもデジタル・コマースの分野で最もホットなビジネスの一つとなっています。
AffirmなどのBNPL企業や、DoorDash・Instacart・Squareなどの次世代を担う企業、GoldmanやJP Morganなど既存の大手金融機関などに対して、自社のビジネスニーズに合った決済カードをカスタマイズして作成する事を可能にしたのがマルケタ(MQ)の提供するプラットフォームです。
従来は、「カード発行に時間がかかる・複雑・ミスも起こりがち」でしたが、オープンAPIを採用したマルケタ(MQ)のプラットフォームがこうした問題を解決し、あらゆる業種・業界のコアビジネスをサポートする事を可能にしています。
マルケタ(MQ)の戦場であるデジタルコマース市場のTAMも巨大で、市場とともにシェアを拡大していけるポテンシャルを持っています。
これからの成長期待が高い米国のグロース株の1つです。
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そんなマルケタ(MQ)の魅力やIPO情報について具体的に見ていきましょう。
米国株マルケタのIPO情報
マルケタのIPO情報一覧は下記の通り。
マルケタのIPO実施時期 | 2021年6月8日 |
ティッカーシンボル | MQ |
発行株数 | 4,500万株強 |
IPO価格 | 27ドル |
引受け幹事 | ゴールドマンサックス JPモルガン シティグループ バークレーズ ウィリアム・ブレア キーバンク・キャピタル・マーケッツ |
マルケタは、IPOで2021年6月8日に米国のナスダック市場に上場。
上場初日は、IPO価格の27ドルよりも20.4%高い32.50ドルで取引が開始され、株価は13%上昇して30.52ドルで終了。
初日の終値は、売り出し価格を59%も上回りました。
マルケタのIPOには、引受け幹事として「ゴールドマンサックス」・「JPモルガン」が名を連ねています。
<出典: マルケタ売出目論見書>
「IPOの主幹事や参加している投資銀行がどこか」を見る事は、その銘柄への投資が「良いディールなのかどうか」を判断する為の1つの材料になります。主幹事証券を見る事で、一流の金融プロフェッショナル集団に達によるデューデリジェンスをクリアし、「是非とも主幹事を引き受けたい」と言わせるだけの魅力があったという事実が確認できます。主幹事証券を見るだけでも、マルケタ(MQ)は超優良ディールである事が分かります。
さらに、マルケタ(MQ)の魅力を見ていきましょう。
米国株マルケタ(MQ)の魅力
マルケタ(MQ)が、米国株のIPO銘柄として2021年注目されている理由は何でしょうか?
マルケタ(MQ)の魅力を4つ紹介していきます。
- デジタル商取引分野での破壊的企業
- 参入障壁の高いビジネスモデル
- デジタル商取引市場は拡大
- ペイメントはそもそも注目度の高い市場
1つずつ見ていきましょう。
米国株マルケタ(MQ)の魅力①: デジタル商取引分野での破壊的企業
米国株マルケタ(MQ)の魅力1つ目は、「デジタル商取引分野での破壊的企業」である点です。
マルケタ(MQ)が登場する前は、クレジットカードの発行は「銀行」が行っていました。
<出典:マルケタ(MQ)売出目論見書>
従来は、カードを発行するインフラやイシュアー・プロセッサー(発行処理者)は銀行のメインフレームコンピュータ上に組み込まれていた為、銀行以外でカードの発行はできませんでした。
その為、発行されたカードをVISAやMastercardといった国際ブランドの決済ネットワークを利用して、カード利用者が決済していたのが従来のビジネスモデルです。
つまり、これまで決済分野は、特定の専門知識を持ったごく限られたプレイヤーの専売特許領域でした。
しかし、マルケタ(MQ)は、銀行内に設置していたインフラをクラウド上に設置をした事(オープンAPI)で、銀行以外の一般般企業でもクレジットカードの発行が可能になるプラットフォームを構築しました。
マルケタ(MQ)のオープンAPIを備えた最新のプラットフォームは、以下の点を可能にしました。
- 決済を含むエコシステムへのアクセスを民主化し、
- 企業やその開発者が最小限の労力で決済をサービスに組み込むために必要なツールを提供可能にし、
- 誰でも簡単に専門知識にアクセスする
まさに、従来の常識を破壊(Disrupt)し、インフラを根底から覆す可能性の高いプラットフォームを持っているデジタル商取引分野での破壊的企業です。
米国株マルケタ(MQ)の魅力②: 参入障壁の高いビジネスモデル
米国株マルケタ(MQ)の魅力2つ目は、「参入障壁の高いビジネスモデル」です。
ペイメントカードシステムは、主に4つの要素で構成されています。
- 銀行
- VisaやMastercardなどのカードネットワーク
- アクワイアラー
- 発行処理会社
どれか1つの要素が欠けてもカード発行プラットフォームを構築は極めて困難です。
加えて、金融監督当局から厳しく監視されるため、プラットフォーム会社は高い技術力や財務力などが要求されます。
そんなハードルを乗り越えているのがマルケタ(MQ)です。
マルケタ(MQ)は銀行やネットワークとのパートナーシップを結んでいる為、顧客にインフラを提供し、顧客が上記の4つの要素と互換性を保ちながら、ビジネスの運営を可能にしています。
<マルケタ(MQ)のプラットフォーム>
<出典:マルケタ(MQ)売出目論見書>
マルケタ(MQ)はのプラットフォームは
- 過去20年以上にわたって整備されてきたインフラに
- 今日のソフトウェア企業やビッグテック企業がアクセスする事を可能
にしており、これは他社が真似できない参入障壁の高さを表しています。
米国株マルケタ(MQ)の魅力③: デジタル商取引市場の拡大(TAM)
米国株マルケタ(MQ)の魅力3つ目は、「デジタル商取引市場の拡大(TAM)」です。
2020年に米国で行われた取引量(トランザクション)が6.7兆ドルであったことを考えると、マルケタ(MQ)は米国のカードベースの支払いの1%未満しか処理していません。
マルケタ(MQ)の2030年の推定TAMは84兆ドルなので、例えばそれらのトランザクションの2%がマルケタ(MQ)の顧客で処理された場合、マルケタ(MQ)の総処理量は~1.68兆ドルになる可能性があります。
マルケタ(MQ)には総取引量の約0.2%が入ってくるので、Revenueとしてはおよそ33億ドルになる算段になります。
ちなみにマルケタ(MQ)の総処理量は、2020年に600億ドルとなり、前年の217億ドルから約3倍近くになっています。
<出典:マルケタ(MQ)売出目論見書>
トランザクションの推移イメージはこんな感じなので、いかに大きなポテンシャルがあるかが分かります。
- 2019年に217億ドル
- 2020年に600億ドル
- 2030年に1.68兆$(推定)
マルケタ(MQ)は、多くの企業がサービスとしてのトークン化やモバイルウォレットなどの革新的な決済ソリューションを求めているニーズに、自社のプラットフォームをカスタマイズして進化していく技術があるので、巨体な市場で生き残っていく可能性は高いです。
実際、マルケタ(MQ)の売出目論見書には以下のように明言されています。
Marqetaは、自社のプラットフォームが顧客のビジネスに合わせて進化していくと考えており、自社のプラットフォームには、この巨大な機会に向けて市場シェアを拡大する競争力があると確信しています。
市場には大きなポテンシャルがあり、そこで生き抜く自信
米国株マルケタ(MQ)の魅力④: ペイメントはそもそも注目度の高い市場
米国株マルケタ(MQ)の魅力4つ目は、「ペイメントは注目度のそもそも高い市場」です。
マルケタ(MQ)が手掛けるビジネスはTAMの魅力があるだけでなく、注目度の高い市場です。
実際、デジタル商取引市場について、多くのリサーチ会社や事業会社は以下のような予測を立てています。
COVID-19パンデミックもデジタル商取引を加速させる事になった要因の1つです。
その状況を世界的に有名な戦略コンサルティングファームのマッキンゼーは下記のように表現しています。
実は、世の中が過去にないスピードで変化をしている点については、書籍「2030年すべてが加速する世界に備えよ」でも述べられています。
変化が加速する理由や、その中心となる業界や企業も分かるのオススメです。
>>>【2030年の予測に必須】2030年すべてが「加速」する世界に備えよ~未来予測に必読の1冊~
本記事では、サラリーマンでもあり米国株投資を実践している私が書籍「2030年すべてが「加速」する世界に備えよ」を読んで、個人的に重要だと思った内容を纏めています。 (function(b,c,f,g,a,d[…]
マルケタのビジネスモデルについて
マルケタのビジネスモデルについて見ていきましょう。
マルケタの売上の仕組みはシンプルで、マルケタは全ての取引の総処理量に基づいて少額の手数料を得ています。
James Hoさんという方のツイート内のスライドが非常に分かりやすいので見ていきましょう。
https://twitter.com/jamesjho_/statuses/1393611363520450567?s=20
スライドのみを抜粋
<出典:James Hoのツイート>
スライドを見ると、マルケタ(MQ)は1回の取引あたり約0.2%を手数料として得ている事が分かります。
なので、マルケタの売上は、プラットフォームを利用する企業が発行するカード決済量(総処理量)が増えるほど増加するビジネスモデルになっています。
マルケタが2021年6月に実施したInvestor向けPresentationの資料を見ると、見事な比例関係が分かると思います。
<出典:マルケタ(MQ) IPO Slide Deckの資料を筆者が加工>
また、2030年には総処理量は1.68兆$(推定)になると見込んでいるので、この金額に0.2%を乗じた33億ドルがマルケタの売上になる見込みになります。
マルケタは売上の核となる総処理量をどうやって拡大する?
マルケタは売上の核となる総処理量をどうやって拡大するのでしょうか?
そのヒントは、マルケタ(MQ)の既存顧客にあります。
マルケタ(MQ)は既に業種・業界で事業展開する企業に対してプラットフォームを提供しています。
<出典:マルケタ(MQのIPO Slide Deck>
例えば、具体例としては下記の通り。
Affirm
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Goldman Sachs
上記のように、既存顧客にとってマルケタ(MQが提供するソフトウェアは既に不可欠なものになっています。
また、マルケタ(MQ)は2020年末に160社以上の顧客を獲得しており、前年比+24%の成長で顧客獲得は順調に進んでいます。
既存顧客にとって不可欠なプラットフォームであり、かつ新規顧客獲得を伸ばしていければ、必然的に取引量は増えていくので、プラットフォームを提供しているマルケタは恩恵を受ける形になります。
マルケタはスクエアへの売上依存度が高いのが懸念材料
魅力の多いマルケタ(MQ)にも懸念材料はあります。
Square(SQ)はマルケタ(MQ)の最大顧客であり、実にマルケタ(MQ)の収益の約70%を生み出しています。
マルケタのスクエアへの収益依存について、マルケタは売出目論見書で以下のように触れています。
Squareは2016年にお客様になりました。Squareは、2018年に当社プラットフォーム上でSquare Cardプログラムの初期バージョンを開始しました。Squareでの処理量の増加に伴い、当社の純収益も増加し、現在、Squareは当社の最大のお客様となっており、2019年12月31日および2020年12月31日に終了した年度、ならびに2020年3月31日および2021年3月31日に終了した3ヵ月間において、当社の純収益のそれぞれ60%、70%、66%、73%を占めています。Square社の事業が減速したり、当社のプラットフォームの使用量が減少したりした場合、当社の事業、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
<出典:マルケタ(MQ) Prospectus>
書籍「2025年世界を制覇する破壊的企業」にも出てくる次世代フィンテック企業スクエア(SQ)のビジネスがコケる可能性はあまり考えられませんが、1つの会社への売上依存度が高い点は懸念されます。
マルケタのスクエアへの依存度の改善が見られるか?は注意して見ていく必要があります。
マルケタのIPO後の株価推移
マルケタのIPO後の株価を見てみましょう。
マルケタは2021年6月8日にIPOでナスダック上場後の3か月間は右肩下がりで推移しています。
マルケタの株価はIPO直後は上げましたが、米国10年債利回りの上昇などハイパーグロース株にとって地合いの悪い中で、ズルズルと下げてきている状況です。
また、マルケタはロックアップ期間があるので、ロックアップ解除後まで、短期的には動きが重くなるかもしれません。
マルケタのロックアップ解除予定日はIPOから180日後の場合、該当日は2021年12月6日でしたが、2021年11月12日に解除された模様です。
以下のTweet参考。
$MQ 注意喚起
MarqetaはQ3決算に伴い、臨時報告書(Form 8-k)にてロックアップ期間が11月12日に終了すると報告しました。これは元の契約において、ロックアップ期間が ①Q3業績発表直後の2取引日目の取引開始時、②IPO目論見書の日付から180日後、いずれか早い方で終了する条件になっていたためです pic.twitter.com/wE7mfjgsbf
— NCB Lounge (@ncb_since1989) November 11, 2021
マルケタのロックアップ解除日については、契約において以下のいずれかの早い方で終了する条件になっていたとの事。
- 2021年Q3決算発表直後の2取引日目の取引開始時 or
- IPO後180日後
ロックアップ解除後の株価の動きは気にしておきたいところです。
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簡単に振り返っていきましょう。
マルケタは次世代カードシステムのプラットフォーマーとして2021年6月8日にナスダックに上場しています。
マルケタの主な特徴は以下の4つ。
- デジタル商取引分野での破壊的企業
- 参入障壁の高いビジネスモデル
- デジタル商取引市場は拡大
- ペイメントはそもそも注目度の高い市場
参入障壁が高く、他社が模倣できないビジネスモデルを展開し、巨大な市場ポテンシャルがある点が魅力です。
マルケタはテンバガー候補として、タイミングをみて中長期用に仕込みたい超優良銘柄の1つです。
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