公募増資と株価の動きを徹底検証~米国上場の中国EVメーカー編~

本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。

 

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

 

本記事では、「公募増資の発表をした企業の株価がどう動くのか?]について、2020年に公募増資を行った中国の新興EVメーカー3社を事例に、公募増資前後の株価格の推移を纏めています。

 

現時点で電気自動車市場は、2020年12月21日にS&P500への組み入れが決定した米国Teslaの存在感が圧倒的に強いのですが、そのTeslaなどの株価が堅調推移している事や中国が国策として今後、電気自動車市場へ注力していく動きにある事から、EVメーカーに対する投資家の関心が高まっています。

 

高まる投資家の関心の中でも特に注目度の高い中国EVメーカー3社の公募増資のタイミングや公募増資後の株価の推移を記事に纏めました。

 

当時の状況や背景、公募増資前後の株価格の動きなどをレトロスペクティブに振り返る事で、今後の長い投資人生の中で類似ケースがでてきた際の参考材料として残しておきたいと考えています。

 

本記事を読む事で、公募増資後の値動きのパターンを知る事ができ、投資タイミングや判断の選択肢を増やす事ができます。

 

公募増資と株価の動きを徹底検証~米国上場の中国EVメーカー編~

公募増資とは?

公募増資とはそもそも何なのでしょうか?

 

 

公募増資とは、新しい株式を発行するに当たり、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘すること。公募増資の目的は、設備投資などの資金を広く一般投資家から集めるためで、それと同時に、株主層の拡大や株式の流通量の増加というメリットもあります。公募増資の際の価格は通常、時価に近い多少割安な水準に決められて、既存株主の利益を損なわないように配慮されています。<出典:SMBC日興証券>

 

平たく言うと、企業が更に成長していく為に必要な人材確保や設備投資、企業買収などといった投要資金を確保する為の資金調達手段です。

 

 

資金の確保を公に募集する、株式と資金の交換という形で行うのが公募増資です。

 

 

そんな定義や堅苦しい内容よりも、個人投資家として知りたいのは、「公募増資は買いなのか、売りなのか、どのタイミングで買えば良いのか」というところだと思います。

 

実際に公募増資を行った企業の株価の動きを確認していきましょう。

 

【米国株】公募増資で株価はどう動く?買い?売り?

 

一般的な結論から言うと、米国株の公募増資のニュースが出ると、一時的に株価は公募増資時の売り出し価格まで下落するケースが多いです。

 

 

公募増資の発表のタイミングで該当株式を保有していない人は、公募増資のニュースにより、株価が一定期間下落した後に、タイミングを見計らって割安価格で購入できるので、公募増資は絶好の買い場になりえます。

 

 

実際に2020年に公募増資を行った米国に上場している中国新興EVメーカーの株価推移を見ていきましょう。

 

【米国株】公募増資と株価の推移:中国EVメーカー3社の事例

中国EVメーカー3社

 

米国上場企業による公募増資と株価の関係性を把握する為に、2020年に公募増資を行った米国上場の中国EVメーカー3社の事例を見ていきましょう。

 

 

今回、本記事で中国のEVメーカーにフォーカスした理由は、電気自動車ビジネスは中国の国策として注力され、今後も堅調に拡大していくマーケットだと思っているからです。

 

中国は、EV補助金の延長、ガソリン車の新規販売停止、2025年までに 販売台数の20%は電気自動車にするなどの方針を打ち出している事からも、電気自動車市場はこれから大きく伸びる事が予測されます。

 

そんな中国の電気自動車市場を牽引する筆頭企業が今回ピックアップした下記の3社です。

 

  1. Li Auto (LI)
  2. Xpeng(XPEV)
  3. NIO(NIO)

 

1つずつ見ていきましょう。

 

【米国株】公募増資と株価の推移事例①: Li Auto (LI)

 

中国の新興EVメーカーとして北京に本拠を構えるLi Auto(LI)は、2020年7月30日に米国のナスダック市場に上場、主幹事証券の構成はGoldman Sachs、Morgan Stanley、UBS Investment Bankなどとなっています。

 

上場時の株価は50%近く上昇し、注目を集めました。

 

Li AutoはTik Tokの運営元の「バイトダンス」や香港市場に上場する「美団」など、大手企業からの出資を受けていますが、2020年第3四半期決算が発表された約1カ月後の12月4日に売出価格は$29で4,700万株の公募増資を発表。

 

今回の増資で、次世代電気自動車技術、次世代BEVプラットフォーム、自動運転技術の研究開発を強化していく模様です。

 

 

気になる株価は下記の株価チャートの通りです。

 

Li AUTO株価推移

<出典:Trading View>

 

チャートにあるように決算発表前にギアを上げて加速し、決算発表後もさらにギアを上げ$48近くまで一気に駆け上がっています。

 

11月は新規投資家がこぞって中国EVメーカーに飛び乗る、いわゆるEVバブルでした。Li  Autoに限らず、後述するNIOやXPEVなども同時期に気持ち良い上げを記録しています。

 

その後、EV相場の過熱感がなくなってきたタイミングでLi Auto(LI)は公募増資を発表。

 

株価はいったん、売出価格の$29付近まで下げましたが、その後売出価格を大きく割れる事はなく、むしろ反発し、$30以上の水準を保って推移している状況です。

 

続いて、Xpeng(XPEV)の状況を見ていきましょう。

 

【米国株】公募増資と株価の推移事例②: Xpeng(XPEV)

 

Xpeng(XPEV)(シャオペン)は、Li Auto(LI)とほぼ同時期の2020年8月27日に米国のNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場したばかりの中国のEVスタートアップ。

 

主幹事証券の構成はCredit Suisse、JP Morgan、BofA Securitiesなどとなっています。

 

中国大手IT企業のアリババやシャオミから出資を受け、中国市場の中でも中級車、高級車セグメントにおいて自動運転テクノロジーを重視した開発に車両づくりに力を入れており、販売台数も大きく伸ばし勢いのあるEVメーカーです。

 

Xpeng(XPEV)は、Li Auto(LI)同様に、2020年第3四半期決算発表後の約1カ月後の12月7日に売出価格$49.34で公募増資を発表

 

https://twitter.com/twin_papariman/status/1335954194579116033?s=20

 

12月7日に公募増資が発表されたタイミングでは、株価はプレマーケットで▲6%の下落を記録し、売出価格の$49.34を大きく割れて$45台で推移していました。

 

そして、さらに、その2日後に売出価格$45で公募増資拡大を発表しました。

 

https://twitter.com/twin_papariman/status/1336651555919941633?s=20

 

チャートを見ると、公募増資の売出価格を一時的に割り込む局面は見られましたが、大きく割り込むような動きは見られていません。

 

XPEVの株価推移

<出典:Trading View>

 

直近高値の$70付近で購入してしまった人は、今の株価水準だと大きく含み損を抱えているかもしれませんが、XPEVの株価の短期的な乱高下についてはあまり気にしなくても良いかもしれません。

 

今年の8月にIPOされたばかりである点に加え、将来的な株価は今の水準よりも遥かに高くなる事が多くのアナリストによって予想されています。

 

6名のアナリストにより12か月後のXPEVの株価水準について、Low,Median,Highの3段階で予測されていますが、最も悲観的な見方でも$150.6、中立的な見方で$344.74、強気な見方では$385.97になると予測されています。

 

あくまでアナリストの予測なので、必ずこの水準に達する事が保証されるわけではありませんが、EV事業への取り組みは中国政府の将来を占う重要な国策である事には変わりありません。

 

今後はガソリン車の販売停止、EV車の台数比率を年々高めていく事は決定事項なので、EV事業をドライブしていく筆頭メーカーの1つであるXPEVの株価は大きく飛躍する可能性は高いと感じます。

 

今の株価水準は1~3年後など中長期目線で考えると、いつ仕込んでも気にならないレベルだと思います。

 

続いて、NIOの状況を見ていきましょう。

 

【米国株】公募増資と株価の推移事例③: NIO(NIO)

 

NIO(NIO)は2018年9月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した「中国版Tesla」と呼ばれている中国の高級EVメーカー。

 

一時期、米国テスラと同様にリコールや資金調達に苦戦する時期もありましたが、2020年に入ってからは、単月での販売台数も過去最高を記録、11月17日に行われた2020年第3四半期決算も好決算を叩き出し、株価と共に最も勢いにのっているEVメーカーの1つです。

 

NIOについてもう少し詳しく知りたい人は下記の記事を参考にして下さい。

 

>>>NIOの将来性~中国のEV市場を牽引する中国版テスラ~

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NIO(NIO)は、2020年8月27日と31日に売出価格$17で2回目の増資を実施済み。その後、2020年第3四半期決算から約1カ月後に3回目の公募増資を発表しています。

 

公募増資の主な目的は、新車と次世代の自動運転技術研究と開発、販売とサービス網の拡大と市場浸透の促で、Morgan Stanley、CICCが引き受け幹事となっています。

https://twitter.com/twin_papariman/status/1337210679384686592?s=20

 

実はNIOは、2020年第3四半期決算時にCEOのコメントで、「現状のキャッシュフロー水準であれば、通常のオペレーションは回せるから、短期的な公募増資は必要ない」という発言をしていました。

https://twitter.com/twin_papariman/status/1329339039841804289?s=20

 

ところが、Li AutoやXPEVが揃って公募増資を実施してきたタイミングをみて、足並みを揃えてきましたw

 

公募増資の発表を受け、株価は▲7%ほど下落。そして、公募増資発表から2日後に売出価格の公表を受け、プレマーケットで▲6%の下落を記録し、2日で約15%近く大幅に下落しました。

https://twitter.com/twin_papariman/status/1338420881891024897?s=20

 

資金調達する事で、ビジネスの強化・拡大に繋がるのであれば、長期的にはポジティブに働きますし、短期的にも株価が下がったら安く買い増せるので、タイミングさえ間違えなければ、投資家にとって公募増資はプラスのニュースと捉える事ができると思います。

 

テスラ(TSLA)が良い先行事例ですね。テスラ(TSLA)は短期間で株式分割を行う規模にまで急激に成長、さらにS&P500にも採用されました。

 

>>>テスラ㊗S&P500採用!!~株価はどう動いた?ニュース発表から組入れまで株価の動きを徹底検証してみた~

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公募増資と株価の動きを徹底検証~米国上場の中国EVメーカー編~: まとめ

 

簡単に振り返っていきましょう。

 

公募増資とは、企業が更に成長していく為に必要な人材確保や設備投資、企業買収などといった投要資金を確保する為の資金調達手段の1つ。

 

 

公募増資のニュースが出ると、短期的には公募増資時の売り出し価格まで株価が下落するケースが多い傾向にあります。

 

実際、本記事の中で紹介した2020年に公募増資を実施したLi Auto(Li)、Xpeng(XPEV)、ニオ(NIO)、全てのケースにおいて、株価は売出価格付近まで、一時的に下落している傾向が見られています。

 

今回フォーカスした中国EVメーカーは、名だたる主幹事証券により後押しされ米国株式市場に上場し、大企業による資本出資を受けている今後のEV市場を牽引していく可能性の高いメーカーです。

 

将来性の高い市場に参入し、その市場でリーダーシップをとれる可能性のある企業が公募増資をした場合は、Buy The Dipで、落ちたところを積極的に拾って行きたいところです。

 

>>>公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~

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以上、公募増資と株価の動きを徹底検証~米国上場の中国EVメーカー編~でした!!

中国EVメーカーの公募増資と株価推移
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