本記事では、米国で2021年に上場予定のBLADE(ブレード)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
本記事では、米国株であるBLADE(ブレード)の魅力、上場情報、今後の展望などについて詳しく解説します。
本記事を読む事で、なぜBLADE(ブレード)が注目されているのか、魅力的な投資対象であるのかを理解する事ができます。
【米国株】BLADE(ブレード)とは?
米国株のBLADE(ブレード)は、主に米国とインドで急成長しているUAM(Urban Air Mobility)プラットフォームを通じて、ヘリコプター通勤サービスを提供している会社です。
イメージとしては、「空飛ぶUBER」。
UBERのように、ユーザーが専用アプリで予約し、「ヘリポートから目的地まで」ヘリコプターを利用して移動するサービスのプラットフォームを提供しています。
BLADE(ブレード)は2014年に設立。設立以降、ヘリコプターサービスの利用者数は右肩上がりに増加しています。ヘリコプターと聞くと、一部富裕層のみがターゲットになるイメージですが、同じ目的地へ向かうユーザーと相乗りさせる事で、手が届く価格帯でのサービスを実現している事で、需要も増えています。
さらに、面白いのは、BLADE(ブレード)はヘリコプターも所有せず、パイロットも雇用していない、いわゆるAsset-Light-Model(資産を持たない)というビジネスモデルを確立している点です。
固定費を圧倒的に抑えられる上、2025年以降には、モビリティを「ヘリコプターからeVTOL(後述します)」に切り替える事で、さらなるコスト低減を実現し、収益化を一気に加速させる予定となっています。
BLADE(ブレード)への投資家も豪華で、さらに主要出資者のKSLキャピタルパートナーズが所有するRoss Aviationのインフラを活用も視野に入っています。
BLADE(ブレード)は、Asset-Light-Modelを確立し、ヘリコプターインフラを持っているUAM市場ではオンリーワンな存在である上、eVTOLへの切替えによる黒字化の加速や海外展開など、市場性も将来性も高い企業です。
【米国株】BLADE(ブレード)はSPAC上場銘柄
米国株のBLADE(ブレード)は、いわゆるSPAC上場銘柄です。
ドラフトキングス(DKNG)やヴァージンギャラクティック(SPCE)のように、買収する事を目的に設立されたSPAC(特別買収目的会社)により買収される事で、ナスダックに上場を予定しています。
具体的には、既にナスダックに上場しているSPAC(特別買収目的会社)であるエクスペリエンス・インベストメント(EXPC)と2021年に合併し、ナスダックへ上場します。
BLADE(ブレード)は、ナスダックに上場する初のドローン・タクシー銘柄となります。
また、エクスペリエンス・インベストメント(EXPC)との合併は、上場というメリットだけでなく、BLADE(ブレード)のバリュエーションを$450Millionまで引き上げ、さらに$375Mを保有するキャッシュリッチ企業となります。
潤沢なキャシュを得る事で、BLADE(ブレード)が計画しているビジネスを加速やさらなる市場拡大を可能にします。
BLADEは、これからまだまだ大きな成長期待の高いグロース株です。
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【米国株】BLADE(ブレード)の魅力
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力、強みや特徴を見ていきましょう。
- 資産を持たない(Asset-Light Model)ビジネスモデル
- サービス実績とユーザーメリット
- 投資家と出資者の顔ぶれ
- TAMの規模
- 事業の成長見通しとeVLOTの将来性
1つずつ見ていきましょう。
【米国株】BLADE(ブレード)の魅力①:資産を持たない(Asset-Light Model)ビジネスモデル
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力1つ目は、資産を持たないAsset-Light-Modelを採用している事です。
そもそも米国では、ヘリコプターを所有するパイロットが個人で会社を経営し、顧客を送迎するようなサービスがいくつも存在していますが、集客やマーケティングが上手くいかない事例が多いようです。
こうした背景に着目したBLADE(ブレード)は、個人経営をしているパイロットに対して、「BLADE(ブレード)の提供するプラットフォームを利用して、集客サポートを行いますよ」という提案を行う事で、個人パイロットが抱えている課題を解決すると同時に、Asset-Light-Modelを確立する事で、Win-Winの関係を築いています。
BLADE(ブレード)が所有しているものは、以下のみです。
- BLADE(ブレード)ブランド
- 予約アプリ
- ヘリポートラウンジ
モビリティを持たない為、機材の購入やメンテナンス費用が不要なだけでなく、パイロットも雇用していない為、人件費もかからない、つまり、固定費が低く抑えられる点がBLADE(ブレード)の強みであり、魅力の1つです。
当然ですが、BLADE(ブレード)が定めている安全性や操作スキルなどをはじめとした厳格な基準や規則を満たしたパイロットとのみ提携しています。
【米国株】BLADE(ブレード)の魅力②:サービス実績とユーザーメリット
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力2つ目は、既にヘリコプター通勤サービスが運用開始されており、実績がある点です。
2014年のBLADE(ブレード)設立時点での年間利用者数は1,200名程度でしたが、2019年時点では、年間37,000人が利用しています。
BLADE(ブレード)のサービス利用者数が急増している理由は、以下の2つのユーザーメリットがあるからです。
- 移動時間が大幅に削減されると同時に、交通渋滞や遅刻リスクがなくなる
- ヘリコプターの乗車チケットは、他の移動手段と変わらない
同じ目的地へ向かうユーザーと相乗りする事で、競争力のある価格設定となっており、さらに、頻繁に利用するユーザー(フリークエントフライヤー)は年間$795で年間パスの購入が可能で、1回あたりの乗車コストが$95削減可能となっています。
2020年には、新型コロナウイルスの影響により、落ち込みを見せていますが、新型コロナウイルスがなければ、利用者数および売上は、順調に推移する見通しでした。
まだまだBLADE(ブレード)の成長余地は多く、リサーチ会社による市場調査によれば、ニューヨークだけに調査対象を絞っただけでも、「ヘリコプター通勤サービスに$195を支払ってでも利用したい」と考える人は300~500万人はいるようです。
米国の1都市だけでもこれだけ、潜在的なニーズがあるというのは驚きです。
【米国株】BLADE(ブレード)の魅力③:投資家と出資者の顔ぶれ
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力3つ目は、BLADE(ブレード)への出資者の顔ぶれです。
既にAirbusやGoogle、IACから出資を受けており、経営陣やサービスへの信用度が高い事を示しています。
プラットフォームビジネスの実績が豊富なKSLキャピタルパートナーズが出資しており、公式ページを見ると、錚々たる投資家が名を連ねているようです。
Investment commitments from affiliates of KSL Capital Partners, Hedosophia, HG Vora Capital Management, and David Geffen, as well as original investors Barry Diller, David Zaslav and Robert W. Pittman
<出典:KSL Capital Partners Press Roomより一部抜粋>
David Geffen、Barry Diler、Robert W.Pittmanという名前が連なっていますが、彼らに対して、投資銀行で30年以上生き抜いてきた生きる伝説「じっちゃま」もBLADE(ブレード)への投資家を「錚々たる投資家」と、表現しています。
ブレード(=エクスペリエンス・インベストメント:EXPC)は錚々たる投資家を集めています。
— じっちゃま (@hirosetakao) December 16, 2020
また、主要な出資者であるKSLキャピタルパートナーズは、空港サービスグループのRoss Aviationも所有しており、BLADE(ブレード)はRoss Aviationのパイプラインやインフラストラクチャーを有効活用する事を視野に入れています。
具体的には、KSLキャピタルパートナーズの関連会社との業務提携により、eVTOLの飛行ルート拡大やメンテナンス、電源チャージステーションの設置などを主要市場に展開する事で、成長機会を加速させる事が期待できます。
【米国株】BLADE(ブレード)の魅力④:TAMの規模
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力4つ目は、TAMの規模です。
エクスペリエンス・インベストメント(EXPC)との合併により得た資金により、今後は市場拡大を予定しており、Phaseを3段階に分け、事業拡大を予定しています。
BLADE(ブレード)の事業プランによれば、2021年~2024年は既存の飛行ルートを拡大する事にフォーカスしている事が分かります。
まず、最優先でFocusするのは米国市場で、特にニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコで新しいインフラの展開を予定しています。
足場を固めた後には、モビリティをeVTOLへの切り替え(後述します)、飛行回数を増やし、コスト削減のフェーズに入ります。
そして、既にインドでサービスを開始していますが、最終的に海外展開に軸足をシフトしていき、カナダ、インドネシア、日本への展開も視野に、毎年5~10市場の開拓を計画しています。
BLADE(ブレード)の計画のポイントとなるのが、eVTOLです。
【米国株】BLADE(ブレード)の魅力⑤:事業の成長見通しとeVTOLの将来性
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力5つ目は、事業の成長見通しとeVTOLの将来性です。
上記の売上予測を見ると、2020年時点では$25Mの売上規模ですが、6年後の2026年には約35倍の$875の売上を想定しています。
また、利益予測を見ると、2024年までは、黒字化の見通しは立っていませんが、黒字化を加速させるカギを握っているのが次世代モビリティのeVTOLです。
eVTOLは、現時点ではFederal Aviation Administration(FAA)、いわゆる連邦航空局による商業利用の承認がされていませんが、BLADE(ブレード)の計画によれば、2025年以降にeVTOLへの切り替えを想定しています。
eVTOLは、BoeingやAirbus、Liliumなどの企業が注力しているモビリティで、過去5年に渡り、$5Bもの資金が投じられているホットな市場です。
早ければ2022年よりも前に、Federal Aviation Administration(FAA)による商業化利用の承認が降りる可能性もあり、それを見越して、BLADE(ブレード)はヘリコプターサービス、つまり既存のサービスプラットフォームの拡充の下地固めをしています。
サービス実績があれば、ヘリコプターからeVTOLへのモビリティの移行はスムーズになる事が予想されているからです。
モビリティを「ヘリコプター」から「eVTOL」へ切り替える事で、飛行コストや飛行回数が格段に改善される事が想定されているので、BLADE(ブレード)の計画上でも2025年以降は、黒字化が大きく加速する算段になっています。
Blade(ブレード)は将来の展開を見据えて、既にBellやAirBus、eVTOL関連2社とも業務提携をしており、将来的には自動運転でのドローン(AAV)サービスを2025年までに開始予定です。
BLADE(ブレード)の飛躍的な成長のカギを握っているのはeVTOLの商業化承認と移行にかかっているとも言えます。
また、株価が大きく反応するには時間がかかるかもしれません。
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【米国株】BLADE(ブレード)の魅力~2021年上場のSPAC優良銘柄~:まとめ
米国株であるBLADE(ブレード)の魅力について、具体的に見てきました。
簡単に振り返っていきましょう。
BLADE(ブレード)は、SPACであるエクスペリエンス・インベストメント(EXPC)との合併によりナスダックに上場予定の初のドローンタクシー、ヘリコプターサービス銘柄。
BLADE(ブレード)の魅力、強みや特徴は主に5つありました。
- 資産を持たない(Asset-Light Model)ビジネスモデル
- サービス実績とユーザーメリット
- 投資家と出資者の顔ぶれ
- TAMの規模
- 事業の成長見通しとeVLOTの将来性
BLADE(ブレード)は、Asset-Light-Modelを確立し、ヘリコプターインフラやサービス実績のあるUrban Air Mobility市場ではオンリーワンな存在。錚々たる投資家や出資者による後ろ盾もあり、事業の成長見通しや市場性も明るく、eVTOLの商業化利用が承認されれば、黒字化が一気に加速する可能性のある魅力的な企業です。
BLADE(ブレード)のようにSPAC上場した銘柄の株価推移や買い時などについては下記の記事で詳しく纏めています。
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