- 米国株のIPOって何?
- 米国株のIPO投資をする際の注意点は?
- 良いIPOと悪いIPOの見分け方は?
そんな疑問に答えます。
本記事では、私自身が米国株投資を行う中で、「過去に抱いていた疑問」や「今後の投資判断において非常に重要だ」と感じた内容について備忘目的で記事に纏めています。
米国株のIPOと聞くと、一見ハードルが高く見えますが、良い銘柄を購入できれば長期的に大きなリターンが期待できます。
一方で、悩ましいのは「良いIPOと悪いIPOはどうやって見分けるのか」といった優良銘柄の見分け方と「上場後、すぐに購入した方が良いのか、少し待った方が良いのか」といった買いタイミングです。
そこで、本記事では、「IPOの良いディール・悪いディール」の見極め方等について紹介します。
この記事を読む事で、悪いディールを引き当てない為の最低限の知識を身に着ける事ができます。
米国株のIPOとは?
まず、米国株のIPOの意味をみてみましょう。
IPO(新規公開株)
IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを言います。
株式上場に際し、通常は新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出されます。これら株式を証券会社を通じて投資家へ配分することをIPOといいます。
出典:カブドットコム証券|新規公開株(IPO)とはより一部抜粋
平たく言うと、個人投資家レベルでも、「魅力的で将来性のある株を市場で売買できるようになる」という事です。
優良なIPO株を見つける事ができれば、短期的なキャピタルゲインや長期的なリターン(キャピタルゲインやインカムゲイン)を得られる可能性がある為、IPO株投資は人気投資手法のうちの1つになっています。
例えば、2019年4月に上場したZOOM Video communication(ズーム)(ティッカーシンボル:ZM)は、投資家に人気があるグロース株の1つ。
誰もが、「ZOOMのような1年で数倍にもなるような銘柄を掴みたい」と考えますよね。
>>>【米国株】ズーム(ZM)の凄さ~株価は1年で10倍!次のズーム株を探す手掛かりは?~
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そこで、気になるのは「どうやって、優良な上場株を見極める事ができるのか?」という点です。
米国株のIPO:良い上場と悪い上場の見極め方
IPOと聞くと、全てのIPO銘柄に対して洗練されたイメージを持ちやすいですが、一言で「上場」と言っても、「良い上場」と「悪い上場」に分かれます。
全ての株がズームビデオ(ZM)のようになるわけではありません。
特定の企業が上場した際に、その銘柄が「将来、稼ぎ頭になるかどうか」「良いディールなのかどうか」を事前に把握できれば、安心してBuy&Holdができるようになります。
上場後に安定して株価が上昇していく可能性のある有望株をIPOの段階で見極める方法の1つとして、「主幹事を見る」方法があります。
- どの投資銀行がディールに関わっているのか
- どの投資銀行がそのディールの主幹事なのか
ここに注目する事が重要です。
「主幹事証券がどこか?」は、企業の売出目論見書のトップレフトポジションを確認します。
一番左上に記載されている投資銀行がそのディールのリードマネージャー、つまり主幹事に該当します。
結論から言うと、「IPOしたばかりの米国株が有望かどうか」はざっくりと下記のように判断する事ができます。
- 「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」、「JPモルガン」の御三家が売出目論見書に名を連ねていれば、良いIPO
- 「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」、「JPモルガン」の御三家のうち1つも売出目論見書に名を連ねてなければ魅力のないIPO
米国株のIPOにおいて、なぜ主幹事や幹事が重要なのでしょうか?
その理由をみていきましょう。
米国株のIPOにおいて主幹事が重要な理由
米国株のIPOにおいて、主幹事が重要な理由は主に2つあります。
- 投資銀行による徹底したIPO企業のデューデリジェンス
- ガイダンスコントロールが肝になる
1つずつ順番に見ていきましょう。
米国株のIPOにおいて主幹事が重要な理由①: 投資銀行による徹底したIPO企業のデューデリジェンス
先に挙げた「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」、「JPモルガン」などは手当たり次第にIPOの幹事を担うわけではありません。
IPOをする企業を事前に徹底的にリサーチ(デューデリジェンス)して、彼らのお眼鏡にかなった場合のみ、売出目論見書に名前を連ねる姿勢を徹底しています。
つまり、上場しても「見込みがない」と判断された企業の主幹事は引き受けないという事。
だから、「御三家の名前が売り出し目論見書にあれば、良いディールと考えて問題ない」というロジックです。
そういう意味では、2020年6月にIPOを実施したロイヤルティファーマ(ティッカーシンボル:RPRX)は御三家が揃って売り出し目論見書に名を連ねているので、期待が持てる銘柄ですね。
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RPRXはIPO後、株価がズルズル落ちていますが、安心してホールドできています。
米国株のIPOにおいて主幹事が重要な理由②: ガイダンスコントロールが肝になる
米国株のIPOにおいては、主幹事のガイダンスコントロールが、IPO後初の決算の成否を分ける重要なファクターになります。
じっちゃま曰く、「モルガンスタンレー」と「ゴールドマンサックス」は、IPOの営業は行わないそうです。
むしろ、IPOを行いたい企業側から、「是非とも、我が社のIPOの主幹事になって下さい」とアプローチされるとの事。
投資銀行の方が優位な立場にあるので、証券会社の要望や意向をIPOを検討している企業に伝えやすくなります。
そこで、投資銀行が行う事は「企業のEPSや売上などのガイダンスコントロール」。
つまり、企業側にはガイダンスを低く出させて、IPO後にポジティブサプライズを演出する事が可能になります。
逆に、「今回のIPOの主幹事をやらせてください」と投資銀行から企業に営業をする場合は、立場が逆になります。
つまり、ガイダンスコントロールを投資銀行側でできなくなる事を意味します。
「ガイダンスコントロールを行えるかどうかを判断する為に、主幹事がどこかを見る」事は米国株のIPOへの投資を検討する際にはめちゃくちゃ重要な情報になります。
ここまでの話を纏めると、徹底的なデューデリジェンスとガイダンスコントロールができる主幹事証券がIPO企業の売り出し目論見書に名を連ねていれば、安心できるという事です。
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米国株のIPOの買い方
米国株の良い上場と悪い上場の見分け方が理解できたところで、「どのタイミングで買えば良いのか?」といった疑問が出てきます。
買い方は大きく2つに分かれます。
- IPO直後に買う
- 上場後初の決算発表後、好決算出た後に買う
じっちゃまが口を酸っぱくして言っているのは、一番、安心して買いにいけるタイミングは好決算を確認してから。
もしくは、一度、ブレークアウトした後に、株価が下がって、今まで上値抵抗線だったラインが下値支持線(レジスタンス)に変わって、そこをこらえて、もう一段高したのを確認してから買いに行く事が安全との事。
なぜなら、個人投資家は決算出る前に買いに動く傾向にあるけれども、90%の機関投資家は最初のブレークアウトでは買わずに、下押ししたのを確認してから買いに行くから。
機関投資家は好決算を確認してから買いにいく為、機関投資家の買いパワーを受けながら風に乗っていく、自然体の相場の貼り方を意識して買いに行く事が重要です。
米国株のIPO後に最も注視すべき事
米国株のIPO後に最も注意すべき事は、IPO直後の値動きや株価などではなく、最初の決算の結果。
そして、最もやってはいけない事は、決算を先読みして株価を売買する事。
最初の決算にこけたら、機関投資家が一斉に売りを浴びせてくる為、株価は目も当てられないようなヒドイ状況になる可能性があるから。
じっちゃまは、「決算の善し悪しを確認してからアクションを取る事が、最も安全な手法である」と、繰り返し強調しています。
>>>米国株の決算は個人投資家にとって「最重要材料」である理由
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米国株のIPO優良銘柄の見分け方【知らないと損するポイント】: まとめ
米国株のIPO投資を行う際に最低限知っておきたいポイントについて紹介してきました。
簡単に振り返っていきましょう。
米国株のIPOの「良いディールと悪いディール」の見極め方は、売出目論見書に記載されている投資銀行を確認する事。
売出目論見書に「モルガンスタンレー」、「ゴールドマンサックス」、「JPモルガン」の投資銀行御三家の全てorいずれかが名を連ねていれば、「良いディール」と判断可能。
その理由は主に2つ。
- 投資銀行による徹底したIPO企業のデューデリジェンスが行われている
- ガイダンスコントロールが可能で、ポジティブサプライズの演出が可能
超一流投資銀行によるお墨付きがあれば、安心してBuy&Holdできますね。
EDGARを使い、米国株IPO銘柄の一次情報を自身で発掘していく事も重要ですが、自分自身で他の選択肢を狭めてしまう可能性もあります。
また、SECの情報はすべて英語で、数百ページもの情報を読み込んでいく必要がある為、かなりの労力と時間がかかります。
もっとシンプルに「米国株の優良な一次情報を気軽に取得したい」という人はOxfordクラブのメルマガがおススメ。
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以上、米国株のIPO優良銘柄の見分け方【知らないと損するポイント】でした!!