- DLO(ディーローカル)はどんな会社?
- DLO(ディーローカル)はどんな強みや魅力がある?
- DLO(ディーローカル)のIPO情報は?
本記事では、米国で2021年にIPOされたDLO(ディーローカル)について、私が調べた情報を備忘目的で記事に纏めています。
本記事では、DLO(ディーローカル)の魅力、IPO情報、直近の株価などについて詳しく解説します。
本記事を読む事で、なぜDLO(ディーローカル)が注目されているのか、魅力的な投資対象であるのかを理解する事ができます。
米国株DLO(ディーローカル)とは?
DLO(ディーローカル)は2016年に設立され、ウルグアイに本社を構えるウルグアイ発の決済ソリューション企業です。
DLO(ディーローカル)は、「グローバル企業が何十億もの新興市場のユーザーとシームレスに接続できるようにする」というミッションを掲げ、新興国企業における決済面での課題を解決する為のクラウドベースプラットフォームを提供しています。
具体的には、AmazonやNIKE、Shopifyなど大規模なグローバル企業の加盟店が、新興国で製品やサービスをオンラインで販売することでビジネスを成長させたいと考えている一方で、それを効率的に行うための適切なオンライン決済インフラを持っていない点に着目し、課題を解決する為の決済サービスプラットフォームを提供しています。
DLO(ディーローカル)のサービスは現在、Amazon・DIDI・Microsoftなどの世界的大企業をはじめ、全世界で330を超える企業顧客、30を超える国で利用されています。
DLO(ディローカル)が提供するプラットフォームを利用した決済金額を示すTPV(Total Payment Value)は4年で約15倍になっています。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
これまでウルグアイ初のユニコーン(評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ)企業として注目されてきましたが、2021年に満を持してナスダックに上場。
しかも、IPO上場時点で黒字化しています。
さらに、DLO(ディーローカル)の戦場である決済ソリューション市場のTAMは巨大で、新興国における決済面の課題を解決できるソリューションプロバイダーは希少なので、これからの成長期待が高い米国のグロース株の1つです。
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そんなDLO(ディーローカル)の魅力やIPO情報について具体的に見ていきましょう。
米国株DLO(ディーローカル)のIPO情報
DLO(ディーローカル)のIPO情報一覧は下記の通り。
DLO(ディーローカル)のIPO実施時期 | 2021年6月2日 |
ティッカーシンボル | DLO |
発行株数 | 2,540万株 |
IPO価格 | 21ドル |
引受け幹事 | JPモルガン ゴールドマンサックス シティグループ モルガンスタンレー バンクオブアメリカ HSBC |
DLO(ディーローカル)は、IPOで2021年6月2日に米国のナスダック市場に上場。
BNPLのプラットフォームプロバイダーのマルケタより約1週間早く上場しています。
上場初日は、IPO価格の21ドルよりも50%以上も高い31ドルで取引が開始され、株価は32.39ドルで終了。
初日の終値は、売り出し価格を50%以上上回りました。
DLO(ディーローカル)のIPOには、引受け幹事として「ゴールドマンサックス」・「JPモルガン」・「モルガンスタンレー」など投資銀行御三家が名を連ねています。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
「IPOの主幹事や参加している投資銀行がどこか」を見る事は、その銘柄への投資が「良いディールなのかどうか」を判断する為の1つの材料になります。主幹事証券を見る事で、一流の金融プロフェッショナル集団に達によるデューデリジェンスをクリアし、「是非とも主幹事を引き受けたい」と言わせるだけの魅力があったという事実が確認できます。主幹事証券を見るだけでも、DLO(ディーローカル)は超優良ディールである事が分かります。
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さらに、DLO(ディーローカル)の魅力を見ていきましょう。
米国株DLO(ディーローカル)の魅力
米国株DLO(ディーローカル)が、米国株のIPO銘柄として2021年注目されている理由は何でしょうか?
DLO(ディーローカル)の魅力を4つ紹介していきます。
- 新興国決済インフラの破壊的ソリューションを提供
- 企業顧客のカバレッジが広い
- 潜在的な市場ポテンシャル(TAM)
- IPO時点で既に黒字化
1つずつ見ていきましょう。
米国株DLO(ディーローカル)の魅力①: 新興国決済インフラの破壊的ソリューションを提供
米国株DLO(ディーローカル)の魅力1つ目は、「新興国決済インフラの破壊的ソリューションを提供」です。
新興国では、既にローカライズされた独自の決済網が広がっており、マーチャントやエンドユーザーもこうしたレガシー決済網を使い慣れている現状があります。
古い慣習を変えるのは抵抗勢力も多そうだし、なかなか難しそうですね
しかし、DLO(ディーローカル)が提供するクラウドベース型の決済プラットフォームは、既存の決済網やエンドユーザーが慣れ親しんだ決済サービスを生かしながら、しかも、さらなる利便性を提供する事が可能。
その結果、以下の通り、30以上の国で600以上のローカル決済方法への対応を可能にし、新興国市場においてDLO(ディローカル)のサービスは破壊的なソリューションとなっています。
<出典:DLO 2021 Q2 決算プレゼン資料>
もう少し背景を具体的に説明をします。
MicrosoftやAmazonなどのグローバル企業は、さらなる成長や市場拡大を求めて新興国市場へ進出を検討していますが、その参入障壁の高さから単独での進出に苦戦を強いられています。
同時に、新興国では銀行口座を持たない顧客の割合が高い事で知られています。
銀行口座を持たないユーザーの多い新興国では現金主導でオンライン決済可能な独自ネットワークが構築されている為、そもそもMastercardやVISAなどの大手決済会社が参入し、加盟店にEnd to Endのソリューションを提供する事は難しいとされてきました。
企業側が自社のプラットフォームを利用する加盟店を増やせない事情が最大のハードルでしたが、その課題を一気に解決できるのがDLO(ディローカル)のプラットフォームです。
一方でグローバルな決済が簡単にできるようになると、
VisaやMastercard、PayPalの仕組みを地域の市場に置き換えることができるのではないか
という不安が生まれる為、いくら革新的なソリューションでもなかなか容易には受け入れられません。
ただ、DLO(ディローカル)は「レガシーシステムを廃止し、入れ替えるのではなく、地域に根ざしたシステムを理解した上でより利便性を向上する」というアプローチを行っている為、当局や加盟店、ユーザーからの信頼を獲得しています。
新興国市場への参入を検討している大企業は、そうした信頼を得たDLO(ディローカル)の協力を得る事ができれば、マーケットへのアクセスが容易になります。
まずは、どこか1か国で成功事例を作り、その成功事例を横展開する事で企業の市場進出を拡大し、DLO(ディローカル)の顧客が天気する国の数は順調に拡大しています。
米国株DLO(ディーローカル)の魅力②: 企業顧客のカバレッジが広い
米国株DLO(ディーローカル)の魅力2つ目は、「企業顧客のカバレッジが広い」です。
DLO(ディーローカル)は、新興国市場でのビジネス展開の難しさを認知していた事から、痒い所に手が届くようなソリューションを提供可能で、企業とエンドユーザーの信頼を獲得しています。
DLO(ディーローカル)の主な顧客は大企業ですが、以下のように幅広い業種をカバーしています。
- 小売
- ストリーミング
- ライドハイアリング(配車)
- 金融機関
- 広告
- SaaS
- 旅行
- eラーニング
- ゲーム
誰もがいくつかは利用した事があるようなサービス・業種で事業を展開している事が分かります。
DLO(ディローカル)の顧客数は330社以上で、具体的にはAmazon・NIKE・Uber・Wikimedia・DIDIなど、グローバル展開する大手企業がメイン顧客に名を連ねています。
<出典:DLO company HP >
こうした誰もが耳にした事があるような大企業が、新興国市場でのビジネスへ進出する際の決済インフラに関わる多くの障壁を解決するソリューションを提供しているのがDLO(ディローカル)です。
米国株DLO(ディーローカル)の魅力③: 潜在的な市場ポテンシャル(TAM)
米国株DLO(ディーローカル)の魅力3つ目は、「潜在的な市場ポテンシャル(TAM)」です。
今のDLOのTPVに対して、TAMがどれだけあるのか?を分かりやすく示しているのが以下のスライドです。
<出典:DLO 2021 Q2 決算プレゼン資料>
AMIによると、DLOが事業展開している国(中国を除く)では、電子商取引の決済総額が$1.2Trillion(約13兆円)に達すると推定されています。
国境を越えた決済(クロスボーダー)と地域間の決済(ローカル)のいずれも、現時点では業界の参加者のほとんどがレガシーな決済会社が占めているが、大きな市場機会がある事が分かります。
さらに、AMIによればPay-Inのボリュームは2024年までに$1.1Trillionに成長すると予想されており、2020年から2024年までの年平均成長率(CAGR)は27%で成長する事が予測されてます。
非常に高い成長力を維持しながら拡大していく市場の中で、顧客ニーズにピンポイントに応えられるプラットフォームを持つDLO(ディローカル)の成長性には期待せずにはいられません。
米国株DLO(ディーローカル)の魅力④: IPO前の段階で既に黒字化
米国株DLO(ディーローカル)の魅力4つ目は、「IPO前の段階で既に黒字化」です。
DLO(ディーローカル)がIPOでナスダックに上場したのは2021年6月ですが、2020年の時点で、既に利益が黒字化しています。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
2020年年間の売上・粗利・利益の内訳は以下の通り。
- 売上(Revenue)$104M
- 粗利(Gross Profit) $60M
- 利益(Profit) $28M
普通に黒字です。
ちなみに、2021年6月30日にIPO後初の決算発表として、2021年Q2決算発表がありましたが、6か月間のProfit(利益)は約$34Mで、2020年の年間利益$28Mを既に大幅に超える結果を叩き出しています。
黒字化を維持するどころか黒字幅を大きく拡大しています
通常、IPOしたばかりの企業は「成長フェーズ」にある為、積極的な投資が必要とされる事からIPO時点で黒字化している企業は稀です。
最近では2020年にIPOで上場したRPRXやGDRXなどが該当しますが、フィンテック企業で黒字化している点は注目に値します。
DLO(ディローカル)のビジネスモデル
DLO(ディローカル)のビジネスモデルはシンプルで、DLO(ディローカル)が提供するプラットフォームを利用した決済金額の一部を手数料として徴収し、それが売上になります。
DLOのProspectusを見ると、TPVの約4~5%を手数料として売上(Revenue)に計上しているようです。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
シンプルに「TPVが増えれば、売上が増える」というビジネスモデルです。
以下は、DLOのTPVの推移です。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
DLOは2016年の創業時から2020年までの4年の間で、TPVを15倍に伸ばしており、CAGRは+97.4%です。
また、以下のグラフは、2019年から2020年のRevenue(売上)の内訳と成長率を示しています。
<出典: DLO(ディーローカル)売出目論見書>
2019年から2020年のTPV成長率が約+60%だったのに対し、Revenue成長率は約+88%となっています。
既存顧客維持と新規顧客獲得の両輪でRevenueを伸ばしている事が分かります。
なので、「どれだけ既存顧客を維持できたのか」を測るNRR(Net Retention Rate)も重要なKPIの1つに設定されていて、そのNRRは2020年12月31日に終了時点では171%となっています。
既存の加盟店との関係を拡大・深化させることに成功したかどうかを、「TPV」と「NRR」でモニタリングしている形になります。
ちなみに、2021年Q2決算時点でのNRRは196%と、前年同期の186%を上回る結果でした。
DLO(ディーローカル)のIPO後の株価推移
DLO(ディーローカル)のIPO後の株価を見てみましょう。
DLO(ディーローカル)は2021年6月2日にナスダック上場後、IPO後初の決算結果が好決算だった事も手伝い、わずか2か月強でIPO価格の2倍越えの$70台に到達。
ただ、10月18日に売出価格$52で公募増資を発表してから、株価は軟調に推移している状況が続いています。
$DLO
DLocal Limited Announces Proposed Secondary Offering時間外 -6%📉https://t.co/af2V3g31S8
— ユーエスさん🇺🇸米国株投資🍺🥃🍷🍶⚽ (@us_stock_invest) October 19, 2021
公募増資を発表すると「売出価格付近まで株価は下がる」or「売出価格を一時的に割れる」事がありますが、「好決算」+「公募増資」を行う企業は「買い」で良い傾向が多いです。
>>>公募増資で株価はどう動く?買い?売り?~米国株の事例を検証してみた~
また、DLO(ディーローカル)はロックアップ期間があるので、ロックアップ解除後まで、短期的には株価の動きが重くなるかもしれません。
DLO(ディーローカル)のロックアップ解除予定日は2021年11月30日です。
>>>米国株のロックアップによる株価への影響は?~2020年IPO優良銘柄の事例を調べてみた~
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米国株DLO(ディーローカル)の魅力について紹介してきました。
簡単に振り返っていきましょう。
DLO(ディーローカル)はウルグアイ初のユニコーン企業として、創業からわずか5年で2021年6月2日にナスダックに上場しています。
DLO(ディーローカル)の主な魅力は以下の4つ。
- 新興国決済インフラの破壊的ソリューションを提供
- 企業顧客のカバレッジが広い
- 潜在的な市場ポテンシャル(TAM)
- IPO時点で既に黒字化
DLO(ディーローカル)はクラウド型の決済プラットフォームを通じて、新興国における決済インフラが抱える問題や新興国市場進出を狙う大企業の課題を解決する事で、顧客数と展開国数を急速に拡大しています。
しかも、IPO前の段階で黒字化を達成しています。
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