【米国株】モデルナやワクチン株は終了?~コロナワクチン相場の株価の動きを振り返ってみた~

  • 2020年12月17日
  • 2023年1月22日
  • US.STOCK

本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

 

2020年1月30日にWHOにより緊急事態宣言が出され、世界的にパンデミックとなった新型コロナウイルス。そののワクチンや治療薬の開発を巡り、展開されてきたワクチン相場については、多くの投資家が注目していました。

 

一般的にワクチン開発は、極めて開発・生産・承認ハードルの高く、今回の新型コロナウイルスワクチンも例外なく、「年内の承認確率は50%」というのが当初から想定されていた大方の予想でした。

 

結果的には、新型コロナウイルスワクチンは年内に完成、無事に緊急使用承認され、未知なるウイルスの脅威に対抗する手段を得られる形となり、ひと安心できました。ただ、一方で、株式投資という観点からは、「ワクチン相場への参加するタイミングや降りるタイミングを判断するのが非常に難しい」と感じたのが個人的な感想です。

 

改めて振り返って見ると、ワクチン相場の入口から参入できた投資家は大きく儲ける事ができた一方で、相場に入るタイミングが少しでも遅かったり、入るタイミングを間違えると、大きく損をしてしまう相場であったと実感しています。

 

その為、本記事では、今回のワクチン相場において常に先頭を走ってきたリーディングカンパニーであるバイオンテック(BNTX)とモデルナ(MRNA)にフォーカスし、ワクチン相場を振り返ります。今後の投資人生の中で似たようなケースが発生した際には迷わず勝ち馬に乗れるように、株価に大きな動きがあった局面について纏めておきたいと思います。

 

この記事を読む事で、今後、似たような相場局面において、「どのタイミングで市場に参加すべきか、降りるべきか」の判断材料を得る事ができます。

 

【米国株】モデルナやワクチン株は終了?~コロナワクチン相場の株価の動きを振り返ってみた~

【米国株】モデルナの株価とバイオンテックの株価の大局的な推移

モデルナとバイオンテックの株価推移

新型コロナウイルスの脅威が世界的に強く認知されたのは、2020年1月30日にWHOに発表された「緊急事態宣言」からです。

 

未知のウイルスが全世界に急速に拡大し、世界各地で次々と外出禁止やロックダウンを余儀なくされ、航空、観光、飲食などを始め多くの産業が打撃を受け、個人の生活スタイルや働き方までもが大きく変化しました。

 

同時に、未知なるウイルスへの脅威を防ぐ為のヒーロー企業探しが始まり、株式投資の視点からは、ワクチンや治療薬を開発する企業に注目が集まりました。

 

WHOの緊急事態宣言からワクチンのEUA承認までの期間は約10ヶ月。具体的には、2020年2月~12月までが新型コロナウイルスのワクチン相場だったと考えます。

 

新型コロナウイルスワクチンや治療薬の開発を巡っては、メルク、アストラゼネカ、エマージェント(EBS)ギリアド(GILD)、ヴァックスアート(VXRT)など、企業規模を問わず、多くの企業が注目をめましたが、mRNA技術に基づく新型コロナウイルスワクチンを開発しているファイザー/バイオンテック(BNTX)連合、モデルナ(MRNA)の2社が常にワクチンレースの先頭を走り、他社を大きく[リードする状況が続いていました。

 

そんなワクチン開発のリーダー企業であるモデルナ、バイオンテックの株価の大きな流れ、大局を簡単に見ていきます。

 

【米国株】モデルナの株価推移

 

モデルナの株価推移は下記の通りです。

ワクチン相場の始りから終わりまで、途中の株価の上げ下げはありますが、キレイな右肩上がりで推移しています。

 

モデルナ(MRNA)の株価推移2020年

<出典:TradingVIew>

 

あくまでも結果論ですが、2月、3月時点で仕込んでおけば、乗っておけば損する事のない相場でした。

 

【米国株】バイオンテックの株価推移

 

バイオンテックの株価推移は下記の通りです。

 

モデルナと比べると、かなり乱高下が激しいですが、チャート的には右肩上がりで推移しています。

 

バイオンテック(BNTX)の株価推移2020年

<出典:TradingVIew>

 

米大手製薬企業のファイザーとのワクチン共同開発というニュースが大きかったのかワクチン相場の序盤で株価は3倍近くに急騰。その後、公募増資による下落など、株価の上げ下げが忙しかった印象です。

 

バイオンテックの場合、相場に入るタイミングを間違えたら、最後まで握力強くHOLDする事が難しい状況だったと思います。

 

ただ、いずれにしても覚えておきたいのは、ワクチン相場の序盤の時点では、「ワクチン開発成功の可能性は50%未満もなかった」という事です。

 

つまり、当時の状況を考えると、不確実性が極めて高い状況下で、大きく資金を投資する判断を下す事は難しかったという事。

 

個人的には、今回の一連のワクチン相場の動き、モデルナ、バイオンテックの株価の動きを通して、「ワクチン相場の終盤にニュースに素直に反応して順張りすれば良かった」と思っています。

 

結局、ワクチン相場の終盤に大きく株価が動いているからです。

 

実際にこれから、ワクチン相場の終盤に株価に影響を与えたニュースを見ていきましょう。

 

【米国株】モデルナとバイオンテックの株価に大きく影響したニュース3つ

ワクチン相場の約10ヶ月を通して、新型コロナウイルスワクチン開発レースの先頭を走っていたモデルナとバイオンテックの株価は常に上下に動いていました。

 

その要因は様々で、米政府主導のオペレーションワープスピード計画に選定された事や各社による公募増資の実施、臨床試験開始ニュースなど、様々な事情により株価の上げ下げはありましたが、結局、株価が大きく動いたのは相場の終盤です。

 

そして、相場の終盤で株価を動かしたのは以下3つのニュースでした。

 

  1.  新型コロナウイルスワクチンの有効性のニュース
  2.  EUA(緊急使用申請)のニュース
  3.  ワクチン承認のニュース

 

それぞれのニュースが報道された後の株価の動きについて見ていきましょう。

 

【米国株】モデルナやバイオンテックの株価に影響を与えたニュース①:新型コロナウイルスワクチンの有効性

 

mRNA技術に基づく新型コロナウイルスワクチン開発にあたり、常に先頭を走ってきたファイザー/バイオンテック(BNTX)連合、モデルナ(MRNA)の2社ですが、まず先にインパクトのある結果を発表してきたのはファイザー/バイオンテック(BNTX)連合でした。

 

もともと第3相臨床試験が予定を前倒ししてスタートされ、結果が出るタイミングは11月上旬~中旬と言われていました。

 

そんな中、2020年11月9日にファイザーから、第3相臨床試験データについて「ワクチン接種開始後28日で90%以上の感染予防効果がある」との報道が出されました。

 

 

全世界的に感染者数が右肩上がりの増加傾向にあり、「未知なるウイルスの恐怖との戦いが早く終わって欲しい期待」と「ワクチン開発の難しさからくる不安」が交錯する中で、発表された本ニュースは大きなインパクトを与えました。

 

本報道を受け、バイオンテックとモデルナの株価は下記のような動きになりました。

 

ファイザーによるコロナウイルスワクチンの有効性95%のニュース直後のモデルナ、バイオンテックの株価推移

<出典:TradingVIew>

 

バイオンテックは一時的に上昇したものの、数日間は売られた一方、バイオンテックのニュースを受け、同じmrna技術に基づくワクチン開発を行っていたモデルナ(MRNA)への期待感が高まり、むしろモデルナ(MRNA)の株価の方が力強く上昇しています。

 

 

同時に、本ニュースを受け、ワクチン銘柄以外に大きな動きがありました。

 

先のバイオンテック/ファイザー連合とモデルナの報道は、あくまでも企業側のニュースリリースであり、FDAによるワクチン承認が確定された訳ではなかったのですが、まるでワクチンが承認されたかのように米国債10年利回りが急上昇しました。

 

金利利回りの急上昇を受け、大統領選挙前から上昇気流に乗りつつつあったズームビデオ、ペロトン、クラウドストライク、テラドック、ネットフリックスなどの在宅関連、遠隔医療関連銘柄やメルカドリブレなどのEC関連銘柄など、多くのグロース株は軒並み焼き殺され、先回りしてまだ決算結果の良くないバリュー株が大きく買われるなどの動きも見られました。

 

金利と株価はシーソーの関係にあり、特に金利の急上昇によりグロース株が売られる事例として頭に入れておきたいところです。

 

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【米国株】モデルナ(MRNA)による新型コロナウイルスワクチンの有効性95%のニュースが出た後の株価

 

第3相臨床試験のスタートがバイオンテックよりも遅れていたモデルナ(MRNA)からも、有効性95%の報道が発表されました。

 

モデルナ(MRNA)は、バイオンテック/ファイザー連合による報道から1週間後の11月16日に、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、「95%近い有効性を示す初期結果のデータが得られた」と報道しました。

 

本報道を受け、バイオンテックとモデルナの株価は下記のような動きを見せています。

 

モデルナによるコロナウイルスワクチンの有効性95%のニュース直後のモデルナ、バイオンテックの株価推移

<出典:TradingVIew>

 

バイオンテックは競合のモデルナが同等の有効性を示した事で売られました。両社とも2日間ほど売られましたが、その後、一気に買われ、株価が急騰している事がチャートから分かります。

 

【米国株】モデルナやバイオンテックの株価に影響を与えたニュース②:EUA(緊急使用申請)

 

モデルナやバイオンテックの株価に影響を与えたニュース2つ目は、新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可申請(EUA)です。

 

先に動いたのはバイオンテック/ファイザー連合。

 

11月20日に、バイオンテック/ファイザー連合がFDA(米国食品医薬品当局)に緊急使用許可申請(EUA)を行い、同じタイミングで、世界各国の規制当局への資料提出をスタートしました。

 

バイオンテックのEUA申請ニュースを受け、バイオンテックとモデルナの株価は下記のような動きを見せています。

 

ファイザーによるコロナウイルスワクチンのEUAnニュース直後のモデルナ、バイオンテックの株価推移

<出典:TradingVIew>

 

バイオンテック、モデルナの株価は揃って大きく上昇しています。特にモデルナの株価の上がり方が凄いです。モデルナも同様に近々EUA申請される期待感から買われたようです。

 

そして、モデルナ(MRNA)はバイオンテック/ファイザー連合から10日ほど遅れた11月30日に同様にEUAをを米食品医薬品局(FDA)に申請。

 

しかし、モデルナがEUA申請したタイミングでは、既にモデルナの株価はピークをつけており、ニュースを受け、事実売りで下落してる事が分かります。

 

【米国株】モデルナやバイオンテックの株価に影響を与えたニュース③:ワクチン承認のニュース

 

モデルナやバイオンテックの株価に影響を与えたニュース3つ目は、新型コロナウイルスワクチンの承認のニュースです。

 

11月下旬にFDAへEUA申請が行われた事から、市場では「米国での承認がいつ降りるのか?」が大きく注目されていましたが、世界で初めて新型コロナウイルスワクチンを承認したのはイギリスでした。

 

12月2日にイギリスでバイオンテック/ファイザー連合が共同開発した新型コロナウイルスワクチンの承認が降りました。

 

そして、イギリスで承認が降りた約10日後の12月11日にFDAから緊急使用承認がおりました。

 

イギリスでの承認ニュース後のモデルナ、バイオンテックの株価は下記のチャートのように推移しています。

 

ファイザーによるコロナウイルスワクチンのイギリスでのEUA承認ニュース直後のモデルナ、バイオンテックの株価推移

<出典:TradingVIew>

 

バイオンテックは、数日後に高値を更新していますが、モデルナは有効性95%のニュース発表後につけた高値は更新せず、推移しています。

 

尚、モデルナにおいては、12月17日に開催されるFDAの第三者委員会を踏まえて、承認される見通しとなっています。

 

モデルナの株価、バイオンテックの株価に大きく影響したニュース3つを見てきましたが、第3相臨床試験が開始され、その結果が出るタイミングは予め11月中旬と分かっていたので、11月に入る前にポジションを持っておき、EUA申請のニュースを確認して数日後に売却すれば、特にモデルナに関しては2倍以上利益を得られた相場でした。

 

【米国株】モデルナやワクチン株は終了?~コロナワクチン相場の株価の動きを振り返ってみた~:まとめ

モデルナ株やバイオンテック株を中心にワクチン株相場の値動きについて当時の状況を踏まえて振り返って来ました。

 

新型コロナウイルスのワクチン相場は、WHOの緊急事態宣言を入口とし、EUA承認を出口と仮定すると、その期間は約10ヶ月。10ヶ月間の株価の趨勢を見ると、基本的には入口から出口に向かってモデルナ、バイオンテック株は右肩上がりに推移しました。

 

今回のワクチン相場というある意味、特殊な相場において勉強になった事は下記です。

 

「相場の最終局面のポジティブニュース(有効性データ)発表で買い、EUA申請で売る」が一番安全に投資をできたと言う事です。

 

相場の入口でバイオンテックの株価は3倍近く上昇するなど、大きく跳ねあがる局面もありましたが、「ワクチンが完成するかどうかも分からない」、「承認の確率も50%にも満たない」ような当時の状況から考えると、積極的に買い向かう事は難しかったと思います。

 

もし、途中で相場にINしていたとしたら、公募増資のタイミングです。

 

バイオンテック、モデルナも公募増資を実施しましたが、公募増資発表を受け、売出価格を大きく割り込んだ局面があったので、そこから一定期間様子を見てから参入するのはありかと思います。

 

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今後の長い投資人生の中で、似たような特殊相場に何回立ち会えるかどうかは分かりませんが、今回のワクチン相場は1つの事例として記憶に残しておきたいですね。

 

以上、【米国株】モデルナやワクチン株は終了?~コロナワクチン相場の株価の動きを振り返ってみた~でした!!

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