米国の株価と経済状況~2020年10月以降の見通しとポイント

  • 2020年10月4日
  • 2023年1月22日
  • US.STOCK

本記事は、私自身が米国株投資を行う中で、新たに学んだ内容や当時の状況について記録する事を目的として纏めています。

 

【想定読者】 株式投資初心者・米国株投資初心者・これから株式投資を検討している人

 

当時の状況を表す指標や予測をレトロスペクティブに比較する事で、「どのような状況変化があったのか?」「予測との相違点はどこか?」を把握する事が可能になり、今後の長い投資人生の中で類似ケースがでてきた際の参考材料として残しておきたいと考え、記事に纏めています。

 

本記事では、2020年9月28日にじっちゃま(広瀬さん)が実施したマネックス証券セミナー「米国株月次オンラインセミナー」で行われた内容の一部を個人的なメモとして纏めています。

 

セミナーでは、個別銘柄に関する説明もされていますが、本記事ではマクロな内容を中心にポイントを記録しました。

 

非常に有益な情報が無料で提供されているので、時間の許す方は一度、じっちゃまの講義を聴く事をオススメします。

 

 

米国の株価と経済状況~2020年10月時点の見通し~

米国の株価見通し:2020年10月下旬までは弱気予想

 

米国の株価見通しですが、10月下旬までは弱気予想とのこと。

 

理由は、懸念材料が多く、その中でも特に以下の2つが大きい為。

 

  1.  追加景気刺激策が可決しない
  2.  最高裁判事の後任人事の早急な決定

 

①については8月末の段階から議会にあまり動きがなく、着地どころが定まっていないようです。追加景気刺激策については、下記の記事に記載しています。

 

>>>米国の株価と経済状況~2020年9月以降の見通しとポイント

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米国株2020年9月以降の見通し

 

②については、ルース・ギンズバーグ最高裁判事が亡くなった後の後任として、現在、エイミー・バレット氏が指名されています。上院で投票にかけて可決される必要がありますが、45日間という短い日数で強引に後任を決定する事に対して、民主党支持者から反発が出る可能性があるとの事。

 

つまり、大統領選挙、上院下院選挙結果に影響を及ぼす可能性あり。

 

共和党が最高裁判事の指名を急ぎ過ぎたと有権者が感じた場合、大統領、上院、下院全て民主党になる可能性もある事は払拭できません。

米国株価のボトムはいつか?買って良い銘柄は?

 

米国株は、過去の経験則からすると、11月3日の大統領選挙本投票の数日前にボトムをつけ、底入れすると予測されています。

 

ボトムをつけるタイミングで、大統領選挙の結果は株式市場では既に織り込まれる為、現職大統領のトランプ、対抗馬のバイデンのどちらが勝っても、株価の暴落は想定されないとの事。

 

よって、10月下旬が買い場になる可能性が高い。

 

買ってよい銘柄は、王道のサブスクリプション銘柄

 

 

具体的には、ズームビデオ(ZM)、クラウドストライク(CRWD)、オクタ(OKTA)。

 

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今は大統領選挙という一大イベント前で、マーケットボラティリティが高くなる可能性があるので、投資スタンスとしては、ローギアにシフトダウンして様子を見る方が賢明。もしくは、PERが低い銘柄に逃げ込む方法も1つの選択肢になる。

 

ちなみに、Q&Aセッションでじっちゃまが今、買いたい銘柄ベスト5+1は必見です。本記事後半の参考個別銘柄の箇所で纏めています。

 

米国経済状況について

2020年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、経済予想サマリー(SEP)が示されました。

 

経済予想サマリーとは、FOMC開始前に、FRBメンバーに対してアンケート調査を実施し、個々のメンバーに今後の予測(FFレート、GDP成長率、インフレ率など)をさせ、個々の予測値を集計したもの。

 

経済予想サマリーで上がった重要指標を1つずつ見ていきましょう。

 

  1. FFレート
  2. GDP予想
  3. 失業率
  4. インフレ率
  5. トレジャリーイールドカーブ

 

FRB経済予想サマリー①: FFレート

FRB経済予想サマリーFFレート

<出典:マネックス証券 米国株月次オンラインセミナー>

 

2020年9月のFFレート(米国政策金利)は、20203年末まで「0.1%」という予測値が出されている。

 

ただし、この予測値は「FRBの声明文、公式見解ではない」という点に注意が必要。

 

FRBメンバーはFOMC開催前の宿題として、「経済予想サマリー」を持ちより、2日間のFOMCが実施される。2日間のFOMCでは、まず、FRBメンバー1人1人に今後の経済予想を確認するEconomic Go Aroundが行われ、翌日に金利政策として何をすべきか?を議論するPolicy Go Aroundが行われ、2日間の意見交換や集約を踏まえて、FRBの公式見解として議事録に纏められる。

 

経済予想サマリーは、あくまでもFRBメンバーの個々の予測値を集計したものにすぎず、公式見解とは異なる点に留意する必要があります。

 

FRB経済予想サマリー②: GDP予想

FRB経済予想サマリーGDP予想

<出典:マネックス証券 米国株月次オンラインセミナー>

 

FOMCにおけるGDP予想では、2020年末は▲3.7%、2021年末は+4%となっています。

 

2020年6月時点では、▲6.5%予想でしたが、悲観的すぎた事で上方修正が入り、2021年予想分は、2020年の落ち込みが小さくなった分だけ、2021年の反発も小さくなった形。

 

FRBメンバーが考えていた程、経済へのインパクトは大きくなかったと言えます。

 

FRB経済予想サマリー③: 失業率

FRB経済予想サマリー失業率

<出典:マネックス証券 米国株月次オンラインセミナー>

 

2020年6月予想では、9.3%と悲観的な数字であったが、下方修正されています。

 

米国経済に新型コロナが与えた影響は、「想定していたほど酷くはない」という事が読み取れます。

 

FRB経済予想サマリー④: インフレ率

FRB経済予想サマリーPCEインフレ率

<出典:マネックス証券 米国株月次オンラインセミナー>

 

FRBが好んで使うのはPCR(Personal Consumption Expenditure)、個人消費支出。

 

2020年6月予想から上方修正されて、長期予想は2%となっています。

 

何よりも最も重要なポイントは、FRBが金利政策を決定するフレームワークを変更した事。

 

FRBの課されている使命は、①インフレ率のコントロール②雇用の最大化で、「インフレ率2%」と「失業率」が従来の評価基準でしたが、今回のフレームワーク変更により、従来よりも基準が曖昧になった事で、FRBの自由度が上がった事がポイント。

 

① インフレ率2%:

 

インフレ率を限りなく2%に近くするゴール自体は変わらないが、「ある一定期間内に2%以内に収まっていれば良し」というような定義に変更され、解釈がアバウトになった。

 

② 雇用の最大化

 

雇用の最大化を推し量る指標として、「失業率をどれだけ低下できるか」が重視されていたが、今後は「失業率」という言葉は使用せず、労働市場状況(Labor Market Conditions)という曖昧な表現を使用するように変更したようです。

 

フレームワークの変更は、FRBの自由度が上がった事が示唆され、株式市場への意味としては、「低金利を放置していても良い」というメッセージに他ならない。

 

トレジャリーイールドカーブ(米国財務省の出している国債の利回り曲線)

<出典:マネックス証券 米国株月次オンラインセミナー>

 

米国債務上の出している国債の利回り曲線の推移。

 

グラフ手前は、FRBの政策金利に左右される「短期金利」を示し、グラフ奥側は、景気の強さやインフレ率、経済状況の善し悪しに左右される「長期金利」を示している。

 

「2020年の短期金利と長期金利」を、前回の不況時の象徴である「リーマンショック後の2009年~2011年の短期金利と長期金利」を比較してみると、下記の点が読み取れる。

 

  • 2020年の短期金利は、リーマンショック時と同様に0に近い水準にあり、超低金利状況が続いている
  • 長期金利は、リーマンショック時を見ると、今よりもかなり高い位置にある。

 

つまり、米国経済は圧倒的に悪い事が分かり、景気は簡単に強くならない事をイールドカーブが物語っているとの事。

 

FRBが政策金利を決定するフレームワークを曖昧にし自由度を挙げた事で、現在続いている短期金利の水準を継続し続ける事、つまり、金融相場は当分続く事が示唆されている為、長期では株は買い。

 

10月末頃にマーケットが安くなったタイミングのどこかで、「買い」に入なければならない。

 

 

なぜなら、金融相場、ブル相場はもっと、もっと、もっと続くから。

 

 

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FRBがフレームワークを変更した事が、金融相場期間を長引かせ、将来的なバブル相場の到来になると予想。

 

米国株の2020年末の予想

 

セミナーの中で出ていた米国株の2020年年末の予想値をメモ書きしておきます。

 

  • ドル円:105円(旧予想:108円)
  • 金:2,000ドル(旧予想:1,800ドル)
  • 原油:40ドル(旧予想30ドル)
  • NYダウ:26,000ドル

 

9月、10月に相場は少し安くなり、大統領選挙目前から盛り返して、年末は引きあがって26,000ドルという予想は先月から変更ないようです。

 

米国株:個別銘柄の解説

 

今回のセミナーで解説された個別銘柄は、下記の通りです。

 

  • カナダグース(GOOS)
  • タペストリー(TPR)
  • リオティント(RIO)
  • ゼネラル・モーターズ(GM)
  • クレディスイス(CS)

 

10月末まではマーケットが安くなる事を想定している為、バリュエーションの安い銘柄を中心に紹介されています。

 

じっちゃまの紹介銘柄も良いですが、米国株式市場の状況や投資家が注目している人気銘柄など、投資判断に有益な情報を配信してくれる情報サイトも参考になります。

 

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ちなみに、Q&Aセッションでじっちゃまが言っていた「今、買いたい銘柄ベスト5+1」は下記の通り。

 

  1.  ズームビデオ(ZM)
  2.  クラウドストライク(CRWD)
  3.  オクタ(OKTA)
  4.  ユニティ(U)
  5.  グッドアールエックス(GDRX)
  6.  ロイヤリティファーマ(RPRX)

 

上記は全てピッカピカの銘柄。

 

特に最初の3つはテンバガー(10倍)になる途上にある稀な銘柄。上場以降、来る決算、来る決算、全てコンセンサス予想を上回る好決算を出すパーフェクトゲームを続けている。悪い決算出すまでは、売る理由がない。

 

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また、ロイヤリティファーマ(RPRX)は、Investor Business DailyのMarketsmithというデータベースにおけるEPSランキングでは、95という数字(99がMAX)を叩き出し、めちゃくちゃに儲かっている会社。しかも、PERは13倍と割安に放置されている。通常の企業とは異なる尺度で売上、利益を見る必要があり、一般投資家に理解されるまで時間がかかる印象。

 

 

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グッドアールエックス(GDRX)は2020年9月にナスダックに上場したばかりだけれども、既に黒字化している企業。

 

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米国の株価と経済状況~2020年10月以降の見通しとポイント: まとめ

 

2020年10月以降の米国の株価見通しについて見てきました。

 

簡単に振り返ってみましょう。

 

2020年10月下旬までは相場は弱い事が予想される。

 

未だに定まらない追加景気刺激策と最高裁判事の後任人事が大統領選挙という一大イベントにインパクトを与えるファクターとなり、相場のボラティリティが高くなる可能性がある。

 

大統領選挙の結果は、10月末までに株式市場に織り込まれる為、トランプかバイデンのどちらが勝っても10月下旬にボトムを付けると予想され、そこが絶好の買いタイミングとなり得る。

 

理由は、FRBが政策金利決定のフレームワークを変更した事で、金融相場が長く続く事、中長期的な株価上昇が予想されるから。

 

将来的にバブル相場になる可能性もあるのであれば、10月下旬には積極的に買っていきたいですね。

 

個人的には、10月以降は新型コロナウイルスワクチン関連のニュースにも注目したいところでです。

 

元FDA長官のスコット・ゴードリー(トランプ政権のご意見番人)がCNBCで、「新型コロナワクチンは大統領選挙には間に合わない」と発言されていましたが、1日も早く安心して外出できる日が戻ってくれる事を願っています。

 

>>>米大統領選挙直前!投資スタンスはどうする?米国の経済状況は?

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以上、米国の株価と経済状況~2020年10月以降の見通しとポイントでした!!

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